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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.4.23

東京で最高の トンカツ店は「とんかつ燕楽」だ!の巻







「とんかつ燕楽」は2024年のナンバー1の店だ

 

結論から先に言うと、「とんかつ燕楽」は、私が昨年筆頭に挙げた「すぎ田」や「ぽん多」に迫る店である。住人には悪いけど、東急池上線の池上駅という、池上本門寺での葬式以外にはほとんど用のないような場所にこのトンカツ屋はある。

 

2023年に激推ししたトンカツ店は以下2本を読まれたし。

 

「すぎ田」のロースを食ってくれ。ヒレもいいが絶対にロースだ。
蔵前「とんかつ すぎ田」のロースカツがいかにうまいのか語るの巻

 

「ぽん多本家」「とんかつ丸五」「tonkatsu.jp 表参道」もいいぞ。詳細は以下から。

わが心のベストトンカツ 東京のトンカツ厳選3店








旨い店はよく整頓されていて、しかも清潔だ。またしても、筆者が思い描くセオリーを実証してくれる店である。それだけ気合が漲(みなぎ)っているということだ。

 

夕方の開店5時と同時に入った。カウンター6席、テーブル4席と手狭だ。30分で満席となった。いずれも常連って感じで、おっ、並んでねえなら入っておこうという近所のおっちゃんもいる様子だ。

 

油を扱う職人は顔つきが違うねえ。料理が一瞬で台無しになってしまうから、気を抜けないのである。主人は常連とはちょいと喋るが、その瞬間も緊張感は解いていない。









最初に、ポテトサラダとお新香が運ばれる。お新香はカブ、大根、キユウリ。揚がる頃合いに、ご飯と豚汁。うーむ、この銀シャリの艶光りする様が食欲をそそる。バイトのお嬢さんが心を込めてキレイキレイに盛り付けている。

 

主人はキャベツを、トンカツが揚がる直前にその都度切るのである。その姿勢に頭が下がるではないか。出来上がった「ロースカツ」をザクッ、ザクッと切ってから、キャベツに載せてご対面!


トンカツ トンカツ

ポテサラ、豚汁もいい感じだ。



もう、素晴らしい美しさである。これだけで味の良さが確信できる。断面を見ると、きつね色の衣は肉にピッタリと張り付いている。筆者のいちばん好きなタイプだ。揚げた肉の色が見事である。中心部はややピンク色だが、ほかは灰白色でうっすらと肉汁の汗をかいている。

 

まずは岩塩を削って、一切れにかけて食べた。衣のカリカリと肉の柔らかさ、二種類の食感が奏でるハーモニーが絶妙だ。歯が肉にくいこむ感触がいい。上質な豚の味と甘味がする。さすがは山形平田牧場の三元豚である。これは間違いがない豚ちゃんだ。



次に、カラシと醤油だ。うむ、これが旨ければ、まさに「すぎ田」同然だと思った期待は、案の定かなえられた。めちゃくちゃに旨え。最後にカラシとソースであるが、これもマズイはずがない。ソースでも極上だが、醤油がやや上かのお。まー、とにかく、今年食ったトンカツの中ではいちばん旨かったゾ。

 

 

ちなみに、切り立てのキャベツの出来が素晴らしすぎる。その切った幅、柔らかさ、甘味、その空気を含ませた、エアリーって言うんすかね、盛りつけ方。満点だ。これだけ醤油で旨いキャベツというのもなかなかないだろな。いや、ビックリしたよ。ぜひ、試してみて欲しい。




さて、白米と豚汁には最高点をつけたい。やや硬めで粒立ちが良い白米である。トンカツにおいて白米は非常に重要なパーツを成している。豚汁は具がごろごろタイプで、出汁も味噌もかなり濃い。ポテトサラダもかなり旨い。お新香だけがちとザンネン。酸味が過多かもしれぬ。きっと糠床が進みすぎなのだろう。余計なお世話だが、糠床のヌカの半分以上を新しくした方がいいと思う。お新香がフレッシュになる。

 

 

というわけで、この店には最大級の讃辞を捧げたい。近所の人が心底ウラヤマシい。そういえば、カウンターに座った6人のうち2人がメニューを見ることなくカツ丼を頼み、がつがつと食らっていた。その旨そうなことったら、ねえぜ。深~く嫉妬した。池上は遠いけれども、通いつめたい店だね~。





とんかつ燕楽 とんかつ燕楽

とんかつ燕楽

東京都大田区池上6-1-4
℡ 03-3754-8243

営業時間:11:00~14:30、17:00~21:00
定休日:日曜日、月曜日

ロースカツ200g 定食 2500円

ヒレカツ200g 単品 2100円

カツ丼 1200円

ヒレカツ丼 1600円





「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。

 

 




筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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