特選“漆器”:激動の時代を生きた漆芸家、是真に挑戦する「朧銀塗」

2016.04.08

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真鍮でも鋳物でもなく、新潟漆器が手がける変わり塗りの新作

まるで金属。でも、見た目にもどこか温かみのあるニュアンスが感じられるのは、この器が木地の上に漆を塗って作られた漆器だからかもしれません。「朧銀塗(おぼろぎんぬり)」と名付けられたこのコレクション。本当に年月を重ねた真鍮か鋳物のようですが、これは新潟県が誇る新潟漆器の変わり塗りの技によって生み出された風合いなのです。

江戸時代初期からの歴史がある新潟漆器は、変わり塗りの宝庫と言われています。かつて新潟には、塗物師や蒔絵師、木だけを組み合わせる木工品の専門職人・指物師など、漆器に関わる職人が千人以上いたとか。全国各地から技法や人が入ってきた結果、その塗りの種類も増えていったというわけです。

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