話題の町・清澄白河を巡るアートプロジェクト 「MOTサテライト」開幕レポート

2017.02.24

ここ数年、個性的なカルチャースポットが続々と誕生し、注目を集める東京・清澄白河エリア。この町を舞台に、休館中の美術館が町の魅力を掘り起こす新しい催しが開幕しました。東京では類を見ないユニークな試み。果たして、何が起きているのでしょうか…?

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注目エリア・清澄白河で今、何が起きている…?

当サイトでもいち早くお伝えした、注目のイベント。【こちらよりご覧下さい】まずは、会場散策の出発点から。都営地下鉄 大江戸線と東京メトロ 半蔵門線が乗り入れる清澄白河駅は「清澄」と「白河」、2つの地名から採られた駅名ですが、周辺一帯を指すまたの名は「深川」。深川といえば、江戸の物流を支える水運が発達し、平賀源内、松尾芭蕉、伊能忠敬らが居を構え、富岡八幡宮の深川八幡祭は江戸三大祭りの一つに数えられています。

……と、まさに下町を代表するこのエリアに近年、アート系の古書店やギャラリー、ブルーボトルコーヒーをはじめとするこだわりのコーヒー店が続々とオープン。商店街や家々が連なる庶民的な町並みの中に新たなクリエイティブ拠点が混在し、独自のカルチャーを発信しつつあるのです。

 

2_DSC04892 copy-min清澄白河駅から東京都現代美術館へと抜ける深川資料館通りの商店街。昔ながらの商店と新たな拠点が混在している。

美術館が町に出て、その魅力を再発見する試み

その先駆けとして、1995年に開館したのが東京都現代美術館。昨年5月より大規模改修工事のため休館中ですが、より積極的に近隣の施設や人々、地域の記憶や歴史と関わるべく、新たなプロジェクト「MOTサテライト」を2月11日(土・祝)〜3月20日(月・祝)まで開催。ちなみに「MOT」とは「Museum of Contemporary Art Tokyo」から頭文字を取った同美術館の愛称。休館中だとしても、いや、だからこそ「美術館の役割は単なる“箱”に終わらない!」という意欲的なメッセージが伝わってきます。

まずは、プロジェクトの公式Webページでガイドマップを見てみましょう。主な展示会場となるのが、町工場や商店の跡地、事務所などを活用した7カ所の「MOTスペース」。さらに町中で小さい展示を行う「MOTスポット」や、地域の文化活動拠点と共同で実施される「フェロー・プロジェクト」の会場などが、端から端まで歩いて20分ほどのエリアに点在しています。

3_DSC04889 copy-minmi-ri meterによる展示『清澄白河現在資料館』(MOTスペース1/旧駄菓子屋)。地元の人々のインタビュー映像を、こたつに入って鑑賞できる。

いざ、会場巡りへ。詩人・吉増剛造が芭蕉を追想!?

なお、先のガイドマップには清澄白河駅を起点として、7カ所の「MOTスペース」を番号順に巡る見本ルートが掲載されています。今回はそのルートを参考にしながら、一部「MOTスポット」の展示にも足を伸ばしてみました。

「MOTスペース」の第1弾は、駅から程近い駄菓子屋の店舗跡。建築ユニットmi-ri meterが地域の様々な住民たちに行ったインタビューの様子が、こたつが置かれた生活感溢れる空間に展示されています。その名も『清澄白河現在資料館』。

続いては、東京都現代美術館へと抜ける商店街に位置するギャラリー「グランチェスター・ハウス」。現代日本を代表する詩人であり、東京国立近代美術館で昨年開催された個展「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」がアート好きの間でも話題を集めた吉増剛造が、深川ゆかりの松尾芭蕉を追想した作品を発表しています。

4_DSC04900 copy-min吉増剛造プロジェクト『エクリチュールの洞窟の心の隅の染(しみ)の方へ』(MOTスペース2/グランチェスター・ハウス)1階の様子。芭蕉を追想して書かれた手稿と映像を展示。

 

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