こんにちは、お当番のN子です。15回目「おごれる者たち」は、前回からさらに2年後が舞台。道長とまひろが別れて6年＋元カレ道長邸でまひろとバッタリ再会からさらに2年後ってことですね。まひろの父・為時は今回の除目でもお仕事に就けず、貧乏生活も相変わらず続行中。父・為時に官位がないからまひろさんは上流貴族の女房にもなれず、結婚もできず「詰んだ」状態です。お気の毒。
今回、さわさんに誘われて石山寺へ祈願の旅へと向かいます。いつの時代も女子はパワースポットが好きなんです。そこで子供の頃から読み親しんだ「蜻蛉日記」の著者、道綱の母と知己になります。まひろは推しと知り合えるなんて、これも石山寺の観音様のご利益か？ 道綱の母は優しくまひろとさわを諭します。絶対に妾になってはいけない。心優しい人の嫡妻になるのがおんなの幸せと。こっくりと深くうなずくふたり。まひろに至っては図星です。
でも書くことの素晴らしさを道綱の母から聞き、まひろの心にも書くということへの興味が芽生える……石山寺に詣でた際に「源氏物語」を執筆し始めたと伝えられているので、今後また石山寺につながるのかもしれません。
イケメンに成長した一条帝と中宮定子さま
宮廷は新世代へ
かくれんぼしていたあの幼い一条帝が、イケメン男子におなり遊ばしました。横笛を吹く横顔が素敵……。横笛は天子さま習得必須の楽器ですよ。位の高い方々はお顔が隠れない楽器をたしなむのが必要だったそうです。
定子さまの父、関白・道隆と、その息子・伊周にとっては我が世の春。しかし、横暴なやり方が今後波乱を呼びそう。道長と伊周の弓当て比べなど、まだまだ軽い衝突ですが、不穏な気配がすでに見えていました。
平安の働く女子・まひろとききょう、昭和の働く女子・寅子
いばらの道をこえてゆけ！
ききょうは夫も子どもも捨て、念願の宮仕えです！それも中宮定子さま付の女房ですよ。お初にお目にかかった定子さまに清少納言という女房名もいただきました。定子さまのご尊顔を拝し、その見目麗しさに一目ぼれする清少納言。定子さま一筋の推し活がここから始まります。来週は「香炉峰の雪」が出てくるみたい。「枕草子」のプロトタイプも見られるのですね。
ききょうの、そしてまひろの平安時代に女性が働くこと、社会参加することが少しずつ描かれていっています。まひろは父・為時が任官されずに過ごしているので、人生の針がなかなか進まないことの焦りがありますが、ききょうは中宮定子のもと、定子のサロンを形成し、名声を支えるためにまい進していきます。
今期の朝ドラ「寅に翼」は、日本で初めて法曹界で活躍した女性を描いていますよね。ヒロイン寅子ののびのびとした発想と、結婚を女性の幸せとする旧弊な母の考えをも変えるほど、自分の能力を伸ばすこと、フラットに生きることへの希求が、押しつけがましくなく、さわやかに描かれています。
紫式部も清少納言も、平安時代中期の後宮で、自身の能力ひとつで人生を切り開いて行った女性です。今期のNHKは朝ドラと大河ドラマどちらも女性の脚本家が女性が働くこと、道を作っていくことの困難さと希望を描いているんですね。平安女子も昭和女子も、まだまだいばらの道が続くのでしょうが、N子も同じ働く女子として共感しながら、応援しながら見ています。
元カレ道長と元カノまひろ、
赤い糸が交差して？？？
まひろが父とともに越前へ赴くまで、あと4年？そろそろ越前に行かないと、まひろの人生が動かないし、まったりしそう、と思ったら次回予告でどうやら、道長とまひろがまた交差するみたい。倫子さまが道長に、誰かほかの女の匂い、気配を感じるみたいですよ。あのほんわか倫子さんが道長の心に住む女の影に気付くということは、あの執念深い明子さんもぼちぼち気付くかも？くわばらくわばら！でも、このドロドロがクセになります！
「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……
Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」（大げさ）。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました！
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