宮城県石巻 田伝むしの『ささにしき白米ごはん』:「お米が主役」vol.16 柏木智帆

2016.02.16

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ほどよい甘さとあっさりとした食感。“希少米”となったササニシキを手軽に

かつてはコシヒカリに並んで「東の横綱」とも言われていた代表品種のササニシキ。ところが、一般的に栽培が難しいことなどが理由で、作り手や面積は激減し、今では“幻のお米”となってしまいました。

その希少となったササニシキを、農薬も化学肥料も使わずに育てている宮城県石巻市の農業生産法人「田伝むし(でんでんむし)」が、レトルト包装米飯「ささにしき白米ごはん」「ささにしき玄米ごはん」を新たに開発。田伝むし代表取締役の木村純さんは、「ササニシキを広める1つのツールになれば」と期待を込めます。

ごはんの量は、ちょうど1膳分の160グラム。電子レンジか湯煎で温めて手軽に食べることができ、一人暮らしで「ごはんを1食分ずつ炊くのが面倒」という人たちとごはんとの距離を近くする商品です。パッケージの可愛らしい版画は、宮城県名取市に住む版画家の明才(みょうさい)さん作で、ササニシキを食べる「ささおくん」。田伝むしの愛嬌ある「ゆるキャラ」です。

粘りすぎず、ほどよい甘さとあっさりした食感のごはんは、噛むごとに旨みがじわり。「玄米がおいしく炊けない」という人や「玄米が食べにくい」という人には、「ささにしき玄米ごはん」もおすすめ。柔らかく軽やかな口当りで、プチッとした玄米特有の食感が楽しめます。もちもちしすぎず重たくないため、夏でもすっきりと食べられるごはんです。

すし飯としても人気のササニシキ。主張しすぎず、すしネタを引き立たせるその姿に、ササニシキの“生きざま”を感じるという木村さん。「常に黒子に徹して、一歩下がって出しゃばらない。その慎ましさが魅力。自分もそうなりたいなと」。一時は米粉パンの製造も試みましたが、「米粉にするために米粒を粉砕することに抵抗感があったのでやめました」。木村さんのササニシキへの愛着を知ると、ごはんがよりおいしく感じられてきます。

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秋、収穫直前

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