グルメ

高畠ラ・クロチュア・エレクトリック・エン上和田シャルドネ2014:「いますぐ飲みたい日本ワイン」 vol. 33 柳 忠之

2016.06.15

 

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美味しいワインは面構えが違う

ワインのラベルを一瞥しただけで、「おっ、こいつは買ってみよう」と思うことがありませんか?いわゆるジャケ買いってヤツです。

数年前、先日の世界ソムリエコンクールに出場された石田博さんと、1500種類ものワインを試飲をしたことがあります。その時に石田さんは、「美味そうなワインは面構えが違う」と言われました。美味しいワインは飲む前から、オーラを放っているようです。

ワインのラベルには、妙に人を食ったデザインのものもありますが、今回ご紹介のワインは、「おっ!」と期待させるに十分な風格をもちつつ、おちゃめな遊び心も忘れていない、そんな白ワインです。 

タイト感のあるブルゴーニュスタイルのシャルドネ

 山形の高畠ワイナリーが手がける「ラ・クロチュア・エレクトリック・エン上和田シャルドネ」がそれ。

クラシカルな髭文字でワイン名が記され、「おや、ブルゴーニュワインかな?」と見まごうばかり。しかしラベルをよく見ると、左下には電気柵に引っかかって感電しているクマの絵が描かれているではないですか!

このワインのブドウは栽培されている上和田地区は、山の麓にあるためしばしばクマなどの野生動物が出没。丹精込めて育てたブドウを食い荒らしてしまうのだそうです。それで農家さんたちは電気柵を仕掛けてブドウを守っています。

言い換えれば、クマたちが食べたくなるほど美味しいブドウが実るということなんでしょうね。

事実、このワインは23.5〜24度という高い糖度に達したシャルドネを収穫して仕込まれたそうです。一方、ブドウ畑は標高300メートルの高台に位置し、涼しい気候のために引き締まったスタイルのシャルドネに仕上がります。

醸造責任者の川邊久之さんがカリフォルニア仕込みのため、高畠のシャルドネは果実味ふくよかでオークフレーバーも香ばしいニューワールドタイプと私自身評してきましたが、ならばヨーロッパスタイルのシャルドネも造ってみせようと思われたのでしょうか、タイトなテクスチャーがこれまでの高畠とは異なる表情を見せてくれます。

なるほど、ラベルがブルゴーニュ調なのは、そんなわけだったのですね。ラベルがワインのスタイルを表していました。面構えの違うワインです。

4320円(税込)/高畠ワイナリーhttp://takahata-wine.shop-pro.jp/

取材・文/柳 忠之

【柳忠之の〈いますぐ飲みたい日本ワイン〉】一覧記事はこちら

http://www.premium-j.jp/tadayuki-yanagi/

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