「エンボカ青山」の季節のお米料理:「お米が主役」 vol.38 柏木智帆

2016.07.26

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お米×野菜 季節を楽しむ独創的な料理

おむすびといえば、梅、シャケ、おかかなどが定番。でも、東京・青山にある飲食店「エンボカ青山」のお米料理に出会うと、そのお米の食べ方の幅広さに驚きます。おむすびのようでもあり、お寿司のようでもある、オリジナリティ溢れるお米料理は、色鮮やかで思わず惚れ惚れ。ごはんの可能性や楽しみ方の幅がぐっと広がります。

ごはんの上に鯖と胡麻味噌ペースト、みょうがのピクルスを乗せたおむすびは、暑い夏でも爽やかに食べられる逸品。「夏は、おこわはちょっと重たい」という方は多いと思いますが、肝醤油で炙った鮎を乗せた「鮎おこわ」は、ほのかな苦みと紫蘇の爽やかさが夏らしく、するりとお腹におさまります。

見た目のインパクトが卓逸しているのは、「まるまるカブ」というユニークな名前のお米料理。くり抜いたカブの中にカブの葉入りのご飯が詰められ、アクセントに胡麻味噌が塗られています。カブごとかぶりつくと、ほんのりと甘くジューシーなカブとコクのある胡麻味噌、ほろりとほぐれるごはんとのハーモニーが味わえます。

キャベツを巻いたボールのようなおむすびは、半分に開くと、海苔の佃煮や柴漬け、ごま、甘辛く煮た椎茸などが、ごはんと層になっていて、見た目も楽しめるおむすびです。

他にも、ししゃもを乗せたおむすび、海苔の代わりにれんこんでごはんを挟んだおむすび、梅味噌を塗った大きな茄子を乗せたおむすびなど、季節ごとに10種類ほどのおむすびを用意。それぞれに野菜が使われています。野菜の種類が多い夏場は、14種類と豊富なラインナップ。サイズが小さめなので、一度の食事でいろいろな種類を楽しめますが、ついつい目移りして注文するのに時間がかかってしまいそうです。

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キャベツ巻き

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半分に割ると…

縁の下の力持ち こだわりのブレンド米

おこわは、新潟県産の「こがねもち」という品種の糯米。おむすびは、北海道産の「ゆめぴりか」と、新潟県産「コシヒカリ」のブレンド米を使っています。

店長の今井ほのよさんがブレンドの理由を教えてくれました。

「野菜と一緒に食べていただくので、お米に少し粘着性が必要です。その役目が、ゆめぴりか。例えば、レンコンでお米を挟むおむすびは、ゆめぴりかの粘着性によってレンコンからお米が離れないようになっています。同時に、ごはんに具材を混ぜると、どうしても水分が出てしまいます。そこで、お米が水っぽくならないように、ほろほろ感を出せるようにコシヒカリを使っているのです」

エンボカ青山のお米料理は具材が目を引きますが、実は、具材の下にあるごはんもちゃんと計算されているのです。

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