グルメ

【東京 新橋】割烹山路 :「食の王道」vol.39 広川道助

2016.08.11

値段が高いばかりが能じゃない!
新橋「割烹山路」主人の素材を見極める力

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言うまでもなく、SNSが発達してからというもの、情報の入手方法は、がらりと変わってしまいました。

以前はテレビや雑誌というマスコミが報じるものが「正しい」とされていましたが、だれもが発信できる世の中になると、その情報の真贋に敏感になるとともに、少数の「インフルエンサー」と呼ばれる人々の情報のほうが信頼性をもって迎えられます。

新橋駅からすぐのところに、3月末に開店した「割烹山路」も、私のインフルエンサーのひとりからの情報で知った店です。

「山路」と聞くと、古くからの食いしん坊ならピンと来るはず。かつて西麻布に名店と言われた同名の寿司店があったからです。

割烹山路の主人も東北地方の寿司屋に生まれたと聞いたので「もしや」と思ったら、見事に当たり。父親が西麻布の店で修業し、名前を継いだのだそう。世間は狭いものです。

しかも、主人の修業先が「すみのえ」「のり寛」「智映」と聞き、これまた私の好みと一致しているではないですか。さっそく伺ってみました。どこも魚を丁寧に扱い、派手ではないけれども実質的にうまい料理を出す割烹ばかり。

烏森神社通りの雑居ビルの二階に店はあります。カウンターが5席とテーブルがひとつの小体な店で、30代の若夫婦で営んでいました。ビールから日本酒に変えると、店主の出身、東北地方の「山形正宗」の夏酒が注がれました。

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「いまが美味しい季節なので」と主人ははにかみながらイワシの刺身を出してくれ、その後はしじみの汁。この二皿で、ここは食いしん坊や酒飲みの気持ちを理解している店だということが十分わかります。

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そして、最小限に手を加えた雲丹や毛がにのうまいこと。思わず酒が進んでしまいますが、こちらは日本酒の種類もたっぷり。おまかせでさまざま飲み比べられます。

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