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「芋麹焼酎 吉助〈赤〉」:「気になる日本酒」番外焼酎編 vol.37 あおい有紀

2016.08.16

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焼酎ブームが落ち着いた今も、異例の成長を続けている霧島酒造

国内のアルコール消費量が年々減っていると言われている中、生産量が年々増え業績が上がっている焼酎蔵があります。誰もが知る芋焼酎の代表的な銘柄といえば、黒霧島。霧島酒造は宮崎県都城市で1916年に創業し、今年でちょうど創業100周年を迎えます。2014年度の年間出荷量は約52万石で、昨年度から2015年度は更に10%伸び、過去最高の売上高を記録、そして2012年から3年間、焼酎業界で売上高全国1位を記録しています。

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©福田栄美子

焼酎業界の一時のブームが去った後も、年々出荷量が伸び続けているその理由はどこにあるのか、霧島酒造に足を運び、黒霧島を世に出した江夏拓三代表取締役専務(67歳)にお話を伺いました。

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©福田栄美子

現在、工場は4つあり、隣にはレストランやお酒の試飲販売コーナー、パン屋などが並び、事前予約をすれば、工場見学(ガラス越し)も可能です。その日も駐車場には観光バスが並び、軟水の仕込み水「霧島裂罅水」も豊富に湧き出ていて、地元の方々が汲みにいらしてました。

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施設の一角には見事な庭園が広がる日本家屋があり、2009年から女流王将戦の会場としても使われているほど。特別な催しの際に使われている趣ある建物は、江夏専務が生まれ育った創業家屋だったものを移築しており、入り口には江夏専務の祖父であり創業者である、“吉助”の表札がありました。

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霧島酒造の社員は506名、霧島ホールディングスの社員とその傘下のケーブルテレビ局の社員を合わせると750名ほどになりますが、社員の平均年齢は33.8歳、江夏専務が所属する企画室は平均年齢27歳というから驚きました。

江夏専務は、「若い人を育てることを大切にしています。年1回の人事異動の時は、約半数が異動になるんですよ。女性や若い人達の発想もどんどん取り入れていきたいですし、朝のミーティング前は学校のホームルームみたいにワイワイ明るい雰囲気なんです。社内結婚も多いですし、子供を産んだ後でも女性社員が復帰しやすい環境作りにも力を入れています」とのこと。

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江夏専務や社員の皆さんと夜の会食までご一緒させて頂きましたが、じっくりお話を伺っていると、江夏専務は若手社員の皆さんの名前を覚えているし、ダジャレを交えながらも含蓄のあるお話をされるので、社員としては上司が近い存在でありながらもいい緊張感が流れ、仕事にやり甲斐を感じ、霧島酒造の社員であることに誇りを持っているような印象を受けました。

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