日本独自の「藻塩」特集1:「本日もいい塩梅」vol.16 青山志穂

2016.08.26

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日本にしかない「藻塩」

みなさん、「藻塩」をご存知でしょうか?「もしお」または「もじお」と読みます。漢字から想像がつく通り、海藻を利用した製塩方法で、世界各国では見当たらない日本独特の製法です。

そもそも海藻を食べるという行為自体があまり海外では見られず、海藻の食用は、わかめなどの食べやすい海藻類が多く自生しており、海に面した面積が大きい日本ならではと言えます。そして、海藻を食べるだけでなく、塩作りにも活用してきました。

藻塩づくりがはっきりと文献として残っているのは、「万葉集」で、「松帆の浦に 朝凪に 玉藻刈りつつ 夕なぎに 藻塩焼きつつ~」とあり、この頃には確実に藻塩焼きが行われていたことがわかります。そしてこの製法は、さまざまな工夫を経ながら、現代にも引き継がれています。

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藻塩づくりの今・昔

かつて藻塩がどのように作られていたかには諸説あり、1つは、海藻を天日で干して塩を付着させ、それを焼いて灰にし、海水に溶かして、釜で煮詰めて結晶させていたという説。もう1つは、乾燥させて塩が付着した海藻に海水を何回もかけ流して濃縮し、釜で炊いて結晶させたという説です。どちらが正しいかはいまだはっきりしていませんが、後者の製法は現在でも見ることができます。毎年7月4日~6日にかけて宮城県塩竈市にある御釜神社で「藻塩焼き神事」が行われ、かつての製法を忠実に再現した藻塩作りが行われ、毎年多くの観光客でにぎわっています。

現在では、上記のように海藻に海水をかけ流したもの、海藻も釜にいれて海水を一緒に煮込んだもの、海藻のエキスだけを加えたものなどさまざまな製法が採用されており、どれも「藻塩」として認められています。

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