世界各国のVIPをも唸らせる、氷温長期熟成の純米大吟醸をメインとした実力派蔵元:「気になる日本酒」vol.40 あおい有紀

2016.09.08

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マイナス10℃以下で10ヶ月以上熟成させた、極上のスパークリング清酒

福井県鯖江市といえば、眼鏡の生産地として世界的にも知られている地域。そこに加藤吉平商店があります。もともとは両替商・庄屋で代々「吉平(きちべえ)」を襲名し、万延元年(1860年)に日本酒製造を始め、現在、十一代当主の加藤団秀代表(58歳)が、蔵をさらに大きく成長させています。

rd850_2戦前より、「越の井」、「梵」の銘柄で造っていましたが、昭和41年に最高のお酒だけに冠していた「梵」にすべて統一し、43年に正式商標登録。昭和44年からは日本で最初に、本格的に大吟醸酒を販売し始めました。十数年前より、長期熟成酒を含めて全て無添加の完全純米酒蔵になりました。

現在は蔵内平均精米歩合が34.5%(平成27BY)と、ほとんどが純米大吟醸酒で、マイナス10度の低温貯蔵で少なくとも10カ月~1年、長いもので10年以上の熟成をかけ、本物の旨さが乗ったと判断されてから出荷しています。超低温熟成庫では4合瓶換算で約400万本分以上が長期熟成されていて、日の目を見るその時をじっと待っています。

rd850_3 「梵(BORN)」には、サンスクリット語で、“けがれなき清浄、真実”という意味があり、“ご愛飲の皆様に、輝く未来の誕生、素晴らしい未来がやってくる”という想いが込められています。仕込み水は、白山からの伏流水で184メートルの地下水から汲み上げており、超軟水のため、柔らかく、ふくよかな味わいの日本酒になるのですね。兵庫県産契約栽培の山田錦と福井県産五百万石を、ほとんど自社精米。15キロずつを気泡が発生する独自の加藤式洗米機で洗米するなど、南部杜氏の平野明氏(42)を中心に、50名以上の蔵人が丁寧な造りを心がけています。

rd850_4「梵」は、現在40ヶ国以上に輸出されていますが、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)では、2010年に「梵・吟撰(特別純米酒)」が、頂点となるチャンピオン・サケに選ばれたり、ロバート・パーカー ワイン・アドヴォケートが初の日本酒評価を行い、つい先日、9月1日に発表となりましたが、「梵・夢は正夢(純米大吟醸)」がパーカーポイント92点を獲得。世界的な酒類品評会において数多くの最高賞に輝くなど、国際的にも大変高い評価を獲得しています。

rd850_5また、「梵・日本の翼 (純米大吟醸)」は、日本政府専用機の日本初の正式機内酒として選定されていて、国賓歓迎晩餐会など、数多くの日本国主催の重要な席・APECやサミットその他において乾杯に使用されています。安倍首相の中東訪問時やロシア訪問時にも「梵・夢は正夢」が乾杯酒として使用されているなど、まさに「梵」は、世界の要人へのおもてなしに欠かせない、日本を代表する日本酒となっています。

rd850_6加藤代表は言います。「今回、“梵・夢は正夢”が、ロバート・パーカー ワイン・アドヴォケート誌から高い評価を頂けたことは、誠に光栄でした。純米大吟醸酒のような超高級酒を、安定的に、ある程度世界市場にこたえられるように供給することは、これからの当蔵も含め地酒メーカーにとって、世界市場を切り開く必要条件だと思っています。例えば、“梵・夢は正夢”も、年間2万本以上出荷している汎用商品で、現在40ヶ国以上に輸出していますが、すべて、通常流通商品が、世界的な数多くの最高賞を受賞し続けてきたことは、とても嬉しく、誇りに感じています」

加藤代表は、海外展開を推し進めるにあたり、2014年1月、「梵」のすべての商品がKLBDのコーシャー認定を受けました。(1つの酒蔵の商品すべてが認定されたのは世界初の快挙でした)コーシャーとは、ユダヤ教で定める食べ物に関する規定で、食材の種類や処理方法、製造行程など厳格な基準をクリアしたものに認定されます。現在、ユダヤ教は3000万人以上いると言われ、彼らはコーシャー認定の食材しか口にすることができません。このコーシャー認定を受けることで、世界中の富裕層に向けて、より市場を広げることができると、日本酒の酒蔵も少しずつ取得し始めています。

コーシャー認定機関・団体は実に1000団体以上ありますが、その中で世界中に通用することが出来る団体が、KLBD、OU,OKと言われています。ロンドンに本部があるKLBDは世界一古く権威があり世界中をターゲットとしていて、日本企業では「味の素」や「日清オイリオ」など超一流企業が取得しています。「梵」はKLBDでの認定となりました。例えば、原材料の調達先の限定や、製造方法の厳密さ、添加物を認めておらず、使用する瓶は80度以上の熱湯で何分以上洗浄しなくてはならないなど、認定を受けるには様々な高いハードルがあります。

「梵」にはすでに今年、抜き打ちで2回審査官・ラビが現地調査に訪れていますが、全てパーフェクトに合格しているとのこと。非常に厳しい基準をクリアするだけあり、蔵のなかはピカピカで清潔感に溢れ、整理整頓もきちんとされていました。まさに製薬会社レベルまでの衛生管理が必要なのですね。

 

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