天日干しに一夜干し、凍干しに灰干しまで! 意外と知らない「干物」の種類

2017.05.09

img01

お酒のあてに、ご飯のおかずにと大活躍の「干物」。日持ちもするのでとても重宝しますが、実は干物には色々な種類があり、それぞれに特徴があることをご存じでしょうか?

上記イメージの画像出典:ume-y / 干物 dried fish (from Flickr, CC BY 2.0)

沢山ある「干し方」の違い

「干物」と聞いて、収穫された魚介類が網の上で干されている「天日干し」の様子を思い浮かべる人も多いはず。実はこの「天日干し」は、干物の種類というよりは作業工程自体の呼び名のこと。水揚げした魚を調理せずに天日干しや機械でそのまま乾燥させた干物のことは「素干し」という名前で呼ばれます。素干し品は原料をそのまま干すため加工が簡単ですが、品質が変わりやすいのが難点。

太陽の下で乾燥させる「天日干し」とは違い、冷たい夜風に当てて乾燥させる「一夜干し」もふんわりとした触感と味わいで人気ですが、保存性はより低くなってしまいます。現在では「一夜干し」の代わりに冷風乾燥機を使うところも多いよう。

空気が乾燥する冬は干物にはもってこいのシーズンと言われていますが、材料を凍らせることで完成させる干物もあります。昼と夜の温度差を利用して、凍結と解凍を繰り返すことで乾燥させる「凍干し」は、スケトウダラの干物や寒天をつくるのに向いています。

干す前の一手間も美味しさの秘密

凍干しは乾燥させる前に一度材料を真水に漬け込み、水分を吸収させるという一手間がありますが、他にも一手間かけた干物が存在します。アジの開き、さんまの開きなどでおなじみの「開き干し」は、内臓を取り除いてまさに「開いた」状態で干すという方式。内臓もそのままいただくのは「丸干し」と呼び、メザシやイワシ、小アジなどでよく使われています。まるごと食べられるので、たっぷり栄養を摂ることもできますね。

「灰干し」は、火山灰で水分を吸収するという一風変わった方法。天日干しなど風や日光に当てる乾燥方法をとってしまうと、脂が減ってしまったりと本来の味が変化してしまうそう。灰干しなら材料本来の味が楽しめ、灰の高い吸水力によって臭みや水っぽさもしっかり取り除いてくれます。わかめやアジでもよく使われる加工方法ですが、サバやイワシといった脂ののった青魚の灰干しを味わってみると他の干物との違いがよく分かるようです。

美味しさを引き出す一手間として、塩を振りかけたり食塩水に漬け込んだりして、旨みを染み込ませるのが「塩干し」です。美味しさだけでなく、日持ちもするようになるので干物の良いところをより引き出す方法と言えるかもしれません。

 

他にも、出汁でおなじみの「煮干し」も干物の一種。干す前に一度煮込むことで味を染み込ませる方法で、かたくちいわしやアジが代表。ラーメンの出汁にはタイの煮干しもよく使われています。

灰干しなどの特殊な干し方を除いては、自分でチャレンジできるのも干物の特徴。おいしい干物を味わうとともに、自宅で干物づくりに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。