「日永うちわ」ひと振りでふわりと心地良い風を起こす夏の風物詩

2016.07.26

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一本の「女竹(めだけ)」から作られる、丸い柄のうちわ

古くは江戸時代からお伊勢参りの土産物として親しまれてきた、三重県の伝統工芸品「日永うちわ」。その最大の特徴は、太い竹を割って作るのではなく、釣り竿にも使われるような細身の「女竹」1本から作られるところにあります。うちわの柄には女竹がそのまま使われているので、手に持ってもひんやりとして気持ち良く、つかみやすいのです。

扇の部分も、竹の先をそのまま細かく裂いて広げたものを編んでいるので、弓のようにしなやか。立体的な竹を平面の扇状に張り上げていく難しい加工は、もちろんすべて職人による手作業です。ひと振りするだけで、そのやわらかな風の違いが感じられるでしょう。
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自分の好きなアロマオイルを垂らして使える「香るうちわ」も

志摩の作家、吉田賢治氏の躍動感あふれる銅版画をうちわにした「海女うちわ」は、2016年5月の伊勢志摩サミットでは各国からの視察団代表の方にお土産として贈られました。なんとも言えないこの繊細な色合いは、美術印刷を手がける県内の印刷所で実現したもの。敢えてツルツルした和紙の表面ではなく、ザラザラした裏面に印刷されています。

 「香るうちわ」も、他にはないうちわ。扇の付け根にできる空間に、本格的なアロマでも使われる珪酸カルシウムの香り玉が仕込まれています。付属のスポイトでアロマオイルを垂らせば、仰ぐたびに良い香りが。柚子やバラ、ロータスなどの香りが選べますが、愛用しているお好みのオイルを使うことも可能です。

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