「和らう門には福来たる」 vol.6

季節は大地が潤う雨水へ。春到来前に実践しよう、着物の虫干し:和ライフキュレーター 佐藤智彦

2017.02.17

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二十四節気では雨水へ。植物の息吹が感じられる頃

二十四節気の「立春(りっしゅん)」は末候に入り、今年は2月18日から「雨水(うすい)」となる。それまで降っていた雪が雨へと変わり、雪が解けはじめる頃とされる。特に積雪が多い今年は、寒さも峠を越す頃といったところか。

ゆっくりと解け出した水が土を潤すようになることから、古来より農耕の準備をはじめる目安とされる。土を耕しはじめ、種の用意を整える。都内でも路地先や河原など、あちらこちらに草木が芽生え始めているのを見かけるようになり、「水ぬるむ」と同時に心まで少し穏やかになる。


02壮大な至仏山を望む群馬・尾瀬ヶ原。毎年数メートルの雪に覆われる彼の地

この時期の雨は「木の芽起こし」とされ、新芽や蕾がほころぶ手助けをしてくれる。「雨水」という言葉には、なんと自然の恵みを表現したものであろうか。
なお雨水に雛人形を飾ると良縁に恵まれるという話もあり、古人は今でいう「To Do リスト」的なことを季節によって知る、まさに自然のリズムで生きていたのかと思うと、胸が熱くなる。


03尾瀬ヶ原ではゴールデンウィークの頃ようやく雪が解けはじめる

七十二候でも、「魚上氷(うおこおりをはいずる)」・「魚氷に上がる(うおこおりにあがる)」(割れた氷の間から魚が跳ね上がる)から、「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」「土脉潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」(雨が降って土が湿り気を含む)へと移る。


04八重桜の枝にも小さなつぼみがつき、一雨ごとに膨らんでいく

いよいよ大地も新しい季節へ移ろうとしているのだ。

 

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