あなたは何を入れる? 自由な発想で楽しむ「大川のヒキダシ」

2017.04.01

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“引き出しって、クリエイティブ”

去る3月22日(水)から26日(日)、東京・代官山T-SITE GARDEN GALLERYにて「大川のヒキダシ展」が開催されました。

福岡県大川市は、約480年の歴史と技術が息づく“家具・木工の街”。
大川家具の特徴は、「大川指物(さしもの)」と呼ばれ、釘を使わず、板と棒、棒と棒を使い、木に穴や切りこみを入れ、差し合わせて組み合わせたタンス、箱物、机のことです。

そのルーツは、造船や修理を担う船大工が天文5年(1536年)に指物を始めたことにあり、その技術は榎津指物(えのきづさしもの)か婚礼箪笥へと受け継がれ、歴史の中で磨かれた技術は、防湿性に富み、丈夫で長持ち。交わる木目の美しさから、引き出しの開け閉めの感触まで心地よさを追求してきました。

その大川家具の中でも、美しさ・丈夫さ・収納力で匠の技術を誇る「ヒキダシ」の魅力を全国に広めるため、今回、各界で活躍中の人気クリエイターのアイデアを、大川の職人が確かな技術を駆使して形にする、全く新しい“ヒキダシ家具”が生まれました。

2(写真)左から、大川インテリア振興センター理事長 土井彌一郎さん、小山薫堂さん、桐里工房 稗田正弘さん、イガリシノブさん、木彩工房 小島嘉則さん、BEAMS JAPAN 鈴木修司さん、馬場木工 馬場末広さん

今回のプロジェクトは、放送作家・小山薫堂さんと企画プロデュース集団オレンジ・アンド・パートナーズ、メイクアップアーティスト・イガリシノブさん、BEAMS JAPANバイヤー・鈴木修司さんの3人が、それぞれの分野での使い手として「本当に欲しいヒキダシ」をテーマにした新しい家具を考案。匠の技と、異分野の感性が融合した結果を披露してくれました。

◆「アイディアを生み出すヒキダシ」
小山薫堂とオレンジ・アンド・パートナーズ

「くまモン」や映画『おくりびと』の脚本などで知られる放送作家の小山薫堂さん、彼が率いる企画プロデュース集団のオレンジ・アンド・パートナーズが考えたのは、集中してアイディアを練るための「究極のプライベート空間」。
100年以上の歴史を持つ桐製家具専門の桐里工房とタッグを組み、桐の魅力を最大限に生かした、新しい「ヒキダシ家具」です。

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10(写真)天板に敷いた桐製の畳は木とは思えない柔らかさとあたたかい感触が特徴。考えに行き詰まったら、寝そべって天井のやさしい光を見上げたい。

「九州には『ななつ星』という寝台列車がありますが、それに乗った時に『豊かさは広さに比例しないんだな』と思いました。あんなに狭い空間なのに、豊かな気持ちになる。あの発想を元に、お茶室のような篭れる場所がいいなと。実際に入って見ると空気が違っていて、別世界に来たような、胎児に戻ったような包まれている感じ…凜とした気持ちになります。本当に集中できてアイディアがたくさん降りてくるなという気がしました」(小山薫堂さん)

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(写真)デスク上部のライトには大川の伝統工芸である大川組子をはめ込み、柔らかな光が。デスクにはレザーを敷いて書き心地よく。

小山薫堂とオレンジ・アンド・パートナーズ 放送作家・小山薫堂が率いる企画プロデュース集団。ブランド、 施設、地域…あらゆるジャンルにおいて”SURPRISE & HAPPINESS”をテーマにアイディアを生み出し続ける。自社グループで料亭やレストラン経営も手掛け、リアルな「場所」から新しい価値を発信する。

 

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