日本の伝統工芸である漆器の新スタイルを紹介

2017.10.31

日本人に古くから親しまれている伝統工芸の漆器に、いま新しいスタイルのものが次々と生まれています。

そこでここでは、そんな新しい時代の漆器のなかから、特に注目の3作をご紹介します。

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ふたつの伝統技法と、イラストレーターのコラボレーション作

この絵皿は輪島塗と会津塗の、ふたつの漆器の伝統と技法を、産地や文化の壁を乗り越え融合させたもの。

輪島塗の塗師・赤木明登による輪島塗の下地を和紙で包んで仕上げた「輪島紙衣」(わじまかみこ)に、会津塗の蒔絵師・八木由紀子が会津独自の加飾技法である「会津朱磨」(あいづしゅみがき)で仕上げた「橘」「梅」の作品や、「会津朱磨」からヒントを得て制作した「黒蒔絵」が施された「菊」の作品です。さらに「菊」の図案はイラストレーターの山本祐布子の作という、まさにまったく新しいスタイルの漆器です。

「摩利蒔絵天廣皿」(まりまきえてんこうざら)という名の由来となった「摩利支天」(まりしてん)は、太陽の光を司る神の名前。朱と黒や、黒のみ、の簡素な色使いで植物紋を表現しているのが特徴で、植物模様は最初に器がつくられ始めた太古の昔から装飾に使われてきたもの。菊、桐、松、蔓草など、それぞれのモチーフが深い象徴的な意味を持っているのも魅力です。

摩利蒔絵天廣皿

2.0寸 橘 朱黒 1万800円(税込)

3.6寸 菊 黒黒 1万6200円(税込)

5.0寸 梅 朱黒 2万1600円(税込)

 

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まるでチョコレートのような、遊び心の楽しい小物入れ

ちいさな小物入れを、細長い箱に5個並べて入れた、まるでチョコレートのような漆器。

作者の冨樫孝男は、江戸時代などの昔の日本でつくられていたいろいろな小物を見て、これを思いついたそう。昔の日本の小物には遊び心があり、それを優れた職人技で本気でつくっているところに、江戸の粋や日本人の受け継いできた洒落心を感じたのだそうです。

そうして生まれたこの漆器は、チョコレートのように見せて、手に取るひとに「驚きや楽しさを感じてほしい」という作者の思いがいっぱいに詰まっている。そんな、いまの時代の新しさのある漆器なのです。

冨樫孝男 チョコレート小物入れ

約2.5(径)×2.5cm(高さ) 5万4000円(税込)

 

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秋田杉と漆を邂逅させた東北を代表する名匠の作

柴田慶信商店は、秋田音頭にも名物として謡われている「大館曲げわっぱ」の伝統と技法を受け継ぐ、東北を代表する名工房。

「大館曲げわっぱ」は、優れた弾力による高い実用性や、杉の香りや抗菌効果、美しい柾目の見た目などにより、古くからお櫃や盛り器、弁当箱などで親しまれてきたもの。柴田慶信商店では、樹齢約150年以上の天然杉を使用するのが特徴です。

また、柴田慶信商店は、板の切り出しから、曲げ加工、山桜の皮での縫い止め、仕上げまで、制作のすべてを自社一環で行うのも大きな特徴。そしてこれらは、ユーザーの声により生まれた、新しさが注目点です。

これらは伝統的な無塗装の木地仕上げではなく、渋柿を塗った後に漆塗りをした仕上げ。中央の2つは内側が朱漆塗り。左右の2つは右側の小判弁当が「シバキ塗り」で、刷毛あとや、縮み、垂れなど、独特の表情が楽しめ、左側は黒漆塗りとなります。

右:シバキ塗り 小判弁当 大(容量約650ml) 1万9008円(税込)

左:黒漆 おさなご弁当箱(容量約300ml) 1万7280円(税込)

手前:内朱 小判弁当 小(容量約400ml) 1万7280円(税込)

奥:内朱 長手弁当 小 (容量約400ml)2万1384円(税込)

 

「私」と「未来」をつなぐ 伊勢丹 漆ノ道

古くから親しまれてきた漆。その新たな漆文化を築くために「使い手」と「つくり手」のつながりとストーリーに焦点をあてて、「今の漆」と「未来の漆」の姿を紹介。

会場は、伊勢丹新宿店本館5階リビング

期間は、11月1日(水)~14日(火)

*冨樫孝男作品のみ11月1日(水)~7日(火)の展開となります。

問い合わせ:03-3352-1111(大代表)