旅行

松本城の天守群:「美しき城」vol.7 萩原さちこ

2016.03.14

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絵画のように美しい、漆黒の国宝天守

風光明媚な北アルプスや美ヶ原を借景に、凛とたたずむ松本城の天守。黒漆塗りの下見板と白漆喰壁のコントラストが青い空にパッと映え、絵画のような美しさです。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は深雪と、四季折々の彩りも見事。平地に築かれているため山々に囲まれていますが、閉塞感があるどころかむしろ開放的で、自然を取り込んだような壮大さも感じます。

天守はひとつの建造物のように見えて、実は5棟が連結しています。二の丸から水堀越しに見たとき、中央にある大きな五重の建物が大天守。いちばん左の小さな建物が乾小天守で、その2棟は渡櫓という廊下のような建造物で連結されます。いちばん右の赤い手すりのついたバルコニーのようなもの(廻縁・高欄)がついた建物が月見櫓で、大天守とは辰巳附櫓という2階建ての建造物でつながれています。これらの5棟が現存で、すべて国宝です。

 

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