奥美濃は盆踊りの聖地!今宵は岐阜県郡上市・白鳥変装おどりへ:「今宵も盆悩まみれ」 vol.27 佐藤智彦

2016.09.30

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風光明媚な美濃白鳥。踊り好きを魅了してやまない「白鳥おどり」

岐阜県郡上市というと、全国的に知られる「郡上おどり」が有名だが、一度経験すると何かに取り憑かれたかのようにその魅力にはまってしまう踊りがある。踊り好きを魅了してやまないその踊りこそ、奥美濃で夏の間夜な夜な開催される「白鳥(しろとり)おどり」だ。

「白鳥おどり」は郡上市白鳥町の町中で場所を変えて踊られる、いわゆる輪踊りとしての「白鳥おどり」と、神社の拝殿で踊られる「白鳥の拝殿踊り」とがあり、公式なスケジュールでは7月上旬から9月の下旬まで20夜あまり開催される。町中での踊りは毎年8月の盆にあたる13・14・15の三日間「徹夜おどり」となり、夜の20時から翌朝4時まで休むことなく踊りが続けられる。

20160930_shirotori-odori_2白鳥町内での「白鳥おどり」。囃子方の乗った総欅(けやき)造りの「おどり屋台」を中心とし、輪になって踊る

20160930_shirotori-odori_3神社の拝殿は江戸時代から庶民の踊り場としても使用されてきた(前谷<まえだに>白山神社)

ボクが初めて白鳥おどりを経験したのは2013年盆のこと。それまで白鳥おどりの名前こそ知ってはいたものの、どの様な踊りなのか見当もつかないまま、郡上おどりの遠征がてら経験してみようと思い、現地へ赴いたことがきっかけだ。郡上おどり同様、三味線や太鼓、笛といった鳴り物を使った生唄・生演奏のお囃子にのせ、下駄を鳴らして踊るのが基本だとは分かっていたが、最初の印象は「拍子が取れない」「下駄の鳴らし方が分からない」「難しい」…でもなんだか「強烈に楽しい!」というものだった。確かに曲は変拍子が多いし、下げた足から前に出す所作や、下駄を擦る動き、曲の途中で何度も方向転換するものなど、生まれて初めての踊りについていくことで必死だったが、周りの踊っている面々は皆楽しそうで、慣れるとトランス状態となって身体が踊りと一体化する。これが別名「白鳥マンボ」と呼ばれる所以か!なんとも楽しく危険な踊りだぜ。

そして翌夏からその魅力にどっぷりとはまるようになり、今では郡上おどりと白鳥おどり、双方を目的として夏の間何度も東京と岐阜を往復することになったのだ。

20160930_shirotori-odori_4キリコ燈籠は精霊や先祖の霊の依り代といわれ、「白鳥の拝殿踊り」ではその灯りの下輪になって踊る(前谷白山神社)

 

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