旅行

長野県山田温泉 緑霞山宿 藤井荘:「プレミアム温泉」vol.9 石井宏子

2015.11.07

 

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紅葉の赤が湯の中まで映りこんで

紅葉の美しい温泉というと、思い浮かぶのがこの情景。目に飛び込んでくる紅葉の鮮やかな色。藤井荘は眼下100mの深い渓谷に面していて、この露天風呂に入っていると、まるで空中に浮かんでいるような感覚になります。

温泉は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、やさしくほんのりと硫黄が香るやわらかな肌触りで体の芯までぽかぽかに温まります。

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山の上に昇る月を愛でる風流な広縁

ロビーに入ると目を奪われるのがダイナミックな渓谷の風景。端から端まで大きな1枚ガラスの窓は遮るものなく山の風景が一望。まるで手が届くような迫力で迎えてくれます。景色に向かってカウンターがあり、ゆっくりお茶とお菓子をいただいてチェックイン。優雅な時間が過ごせます。

部屋は“日本”を楽しむなら数寄屋仕立ての和室。部屋の中まで木々の色が映りこみ、四季の移ろいを光の色で感じることができます。寛げるモダンな洋室もあり、どちらも広い縁側は月見縁台になっています。自然の中にせり出していくような広い縁台。緋毛氈の上の円座は目線が低くなり山の上に昇る月を愛でることができます。渓谷に浮かんでいるような場所から月を眺めるなんて、この風流な場所は日本人のDNAが甦ってくるような気持ちになることでしょう。

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時代とともに変化した名物料理

季節ごとの旬を目でも楽しめるのが温泉旅館の夕食。藤井荘のお料理は盛り付けも大変美しくて楽しみです。実りの秋には稲穂が添えられていたり、春にはお雛様が並んでいたり。季節季節の信州の味覚が丁寧にひとつひとつ手間をかけた仕上がりで運ばれてきます。

「ぽんぽん鍋」は、創業当時からの名物料理。昔は山で仕留めた狸を宿伝来の方法で美味しくいただける鍋にしていたとか。時代とともに姿を変えて、現在の「ぽんぽん鍋」は小さな串に刺した野菜や山菜、きのこやど、山の素材を目の前でさっと揚げていただく、日本スタイルのフォンデュ。「ぽんぽん」と軽やかな音がします。

 

緑霞山宿 藤井荘
http://www.fujiiso.co.jp/

 

取材・文/石井宏子

【石井宏子の〈プレミアム温泉〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/hiroko-ishii/

【石井宏子の〈ここにしかない日本〉】一覧記事はこちら
http://www.premium-j.jp/hiroko-ishii_reports/

 

石井PP3《プロフィール》

石井宏子 

温泉ビューティ研究家・トラベルジャーナリスト

温泉の美容力を研究する日本でただひとりの温泉ビューティ研究家。生涯旅人の人生をスタートして年200日ほど日本・世界を旅する。雑誌やサイトなど多数の 連載コラムを執筆、テレビ・ラジオにも出演。温泉地の自然環境にも着目し、ドイツにて「気候療法士」資格を取得。温泉、水、自然環境、食事など旅を通じて、心も体もきれいになる新しい旅“ビューティツーリズム”を提唱。外資系化粧品会社、海外ブランドのマーケティング・広報の経験を生かし、温泉地のブランディングや企画もサポート。プレミアムジャパン“PREMIUM JAPAN”のトラベル・キュレーターに着任。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会 員、日本旅のペンクラブ会員、公式サイトhttp://www.onsenbeauty.com

 

 

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