走り出す、次世代自動車 トヨタMIRAI

全く新しい動力源を持つ自動車
2014年の11月に発表、12月に発売となり、すでに個人オーナーにもデリバリーが始まっているトヨタMIRAI。燃料電池車です。
燃料電池とは、水素と大気中にある酸素を反応させて電気を発生させるものです。家庭用の燃料電池としてエネファームが有名ですが、このシステムを自動車用に転用し、発電した電気で走るクルマということになります。
エネファームでは、ガスや灯油から取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を作り出しますが、この燃料電池車では、最初から水素を車載タンクに入れて、その水素を化学反応させながら走ります。
水しか排出しない、地球に優しいクルマ
燃料電池車の燃料となる水素は、石油だけでなく石油以外のさまざまな燃料・エネルギーから製造することが可能です。そして、燃料電池は化学反応であるためエンジンのような音や振動が発生しない、といったメリットがあります。
電気自動車の一種ですが、水素のタンクへの充てんは3分以内と、電気自動車のような長い充電時間が不要。そして走行中は水(水蒸気)しか排出せずに排出ガスゼロ。まさに地球に優しい、理想の乗り物です。。
ただ、燃料電池車の特徴の水素タンクと燃料電池のシステムである燃料電池スタックが非常に高価であるため、低コスト化が難しいことが、これからの課題。燃料の水素を補給するための、水素ステーションの整備も急務となります。
世界に先駆け、市販にこぎつけたMIRAI
燃料電池車は、すでに90年代の初頭から、世界中の自動車メーカーが開発を試みてきました。実際に、ホンダではFCXクラリティという車両を製造してきましたし、小規模ではありますが各社が実証実験という形で燃料電池車を開発し、公道上で走らせてきました。
しかし誰もが購入ができる市販車として、トヨタが出してきたのが、このMIRAIです。国内ではホンダ、日産も燃料電池車の投入を予定していますが、その先陣を切っての登場です。
高級車然とした上質な乗り心地
MIRAIは低重心で安定感が抜群。また前記したようにMIRAIとても静かで、高級車然とした上質な乗り心地が味わえます。
モーター駆動ならではの太いトルクが感じられるのも長所。スタックへ大量の空気を送るため加速時にはエアコンプレッサーの音が入ってくるのですが、これは加速感を演出する音作りで、走る楽しさも盛り上げてくれます。
タンク満タンからの航続距離はJC08モードで650㎞(現在の規制の関係上の数値で最終的には700㎞まで伸びる予定)。水素の価格はタンク満タンで5000円ほどとなります。
車両価格は723万6000円ですが、国や地方自治体のエコカー補助金を活用すれば、500万円程度での購入ができるようになります。
<スペック>
Specifications
サイズ:全長4890×全幅1815×全高1535mm
ホイールベース:2780mm
トレッド:前1535/後1545mm
車両重量:1850kg
駆動方式:前輪駆動
乗車定員:4名
最高出力:113kW(154ps)
最大トルク:335Nm(34.2kgm)
サスペンション・前:ストラット式コイルスプリング/後:トーションビーム式コイルスプリング
ブレーキ・前:ベンチレーテッドディスク/後:ディスク
価格:723万6千円