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食べる温泉?温泉からできる塩2:「本日もいい塩梅」vol.23 青山志穂

2016.10.14

rd850_Sio23-03海底から湧く温泉を活用“子宝の温泉塩”

鹿児島県の離島・小宝島。まるでその姿が横たわる妊婦のようであることから、別名「子宝島」とも呼ばれています。この島には海底から約83℃の塩泉が湧くポイントがあり、海沿いにはこの源泉を引いて作った露天風呂「子宝の湯」もあり、地元民に愛されています。源泉を取水して、平釜で6時間かけてアクを取り除きながらじっくり丁寧に炊いて仕上げた塩は、口に入れるとするりと溶ける細やかな粒で、100g中の食塩相当量が75.69gと低め。まろやかなしょっぱさとほのかな甘味と酸味があり、余韻にあっさりとしたうまみを感じます。 ゆでたまごや、落花生の塩茹で、玄米や五穀米の塩おにぎりにおすすめです。

rd850_Sio23-04塩で村興し!“会津山塩”

地層に閉じ込められた太古の海水の成分が地下水に溶けて湧き出しているのが、磐梯山のふもとに位置する大塩裏磐梯温泉。810年~824年頃、この地を訪れた弘法大師が地元民が塩がなくて困っている様子を見て、17日もの間護摩を焚き続け、塩水を導いたという言い伝えがあります。この塩泉を利用しての塩作りは一度は途絶えたものの、村興しのため、地元の有志が集結し、復活しました。

塩分濃度は海水の約2/3と薄めのため、釜で丸1日煮詰めてから、小さな釜に移してさらに煮詰めて結晶させます。100リットルの源泉からできる塩はたったの1㎏。塩分濃度の薄い塩泉を塩に仕上げるのは、とても大変な作業なのです。 できあがった塩は、ほどよいしょっぱさと鉄のような酸味があり、後味にほのかな苦味と甘味を感じます。ローストビーフや赤身の魚の塩焼きに使うと、食材のうまみを引き上げてくれます。

ここでご紹介したもの以外にも、日本で塩泉から塩を作っているところがいくつかあります。岩塩も塩湖もなく、海からも遠いエリアでどうにかして塩を得ようと、先人たちが工夫して作り上げた塩の結晶。どれも生産量は多くなく、とても希少なものなので、見かけたらぜひお試しになってみてくださいね。

 

■お問い合わせ

メーカー名:有限会社鹿塩の湯 湯元 山塩館
商品名:「山塩」
価格:50g 550円(税抜)
電話:0265-39-1010
http://www.yamashio.com/

メーカー名:雲仙エコロ塩株式会社
商品名:「スイーツソルト」
価格:80g 1000円(税抜)
電話:095-856-9164
http://ecologeo.alt-nagasaki.jp/

メーカー名:有限会社小林工房
商品名:子宝の温泉塩
価格:250g 650円(税抜)
電話:0265-39-1010
http://www.tokara-kodakara.com/index.html

メーカー名:会津山塩企業組合
商品名:会津山塩 挽きたて
価格:30g 400円(税抜)
電話:0265-39-1010
http://aizu-yamajio.com/

 

取材・文/青山志穂

【青山志穂の〈本日もいい塩梅〉】一覧記事はこちら
 https://www.premium-j.jp/aoyama_shiho/

rd300_mg_7507《プロフィール》

青山志穂

一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事・ソルトコーディネーター

東京都出身、沖縄県在住。大学卒業後、大手食品メーカーで商品開発等を担当。2007年に沖縄県に移住後、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の構築や人材教育、商品開発を行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を設立して独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの養成講座のほか、全国を飛び回りながら、塩に関する講演をはじめ、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行っている。著書に「塩図鑑」(東京書籍)や「琉球塩手帖」(ボーダーインク)など。
公式サイト : http://saltcoordinator.jp 公式ブログ : http://blog.saltlabo.com