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チョコレートで感じる日本の香り 《第五回》 ブルガリ イル・チョコラート バレンタイン

2018.02.03

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「サン・ヴァレンティーノ 2018 “ルイ・エ・レイ”」 「ルイ=彼」(左) と「レイ=彼女」(右)と使っている“カカオクルード”の各クーベルチュール

 年のブルガリ イル・チョコラートのバレンタインチョコレートの定番「サン・ヴァレンティーノ 2018 “ルイ・エ・レイ”」は例年にも増してとても魅力的だ。メートルショコラティエの齋藤香南子さんが、ついに彼女にしかできない味わいを作りあげたことを讃美したい。
“ルイ・エ・レイ”とはイタリア語で「彼と彼女」という意味で二個が対をなす人気のシリーズ。「ルイ」は爽やかなレモンの芳香と甘酸っぱい果汁がしっかりとしたカカオ感と共に口いっぱいに広がり、「レイ」はヘーゼルナッツを加えたジャンドゥーヤの上質なナッツ感と砂糖の代わりに甘みとして加えたナツメヤシのやわらかな食感と味わいが至福のハーモニーを奏でる。

  今年のテーマは上質なイタリア素材と“カカオクルード”のマリアージュだという。
“カカオクルード”とは安心・安全を掲げるイタリア発のロー・チョコレートのブランド。ただしチョコレートの場合は、ロー・チョコレートといっても“生”ではなく低温焙煎をしている。 “カカオクルード”の特徴は希少なカカオ豆を使い、豆の特徴を最大限に活かすために発酵過程においても焙煎においても42度以上にならないようにコントロールしていること。さらに動物性のものは一切使用せず、糖分はココナッツフラワーのネクターのみを使用して、マクロビオティックやビーガンにも対応している。

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「サン・ヴァレンティーノ 2018 “ルイ・エ・レイ”」に、フェミニンなやさしい味わいの「アーモンド」(右下)と、ピリッとした辛味が魅力のシチリア産エキストラヴァージンオリーブオイルを使った「オリーブオイル」(左上)

 内では今のところイル・チョコラートがエクスクルーシブに使っている。余分なものを加えない主義のため、なめらかな質感と作業効率を高めるために必要なカカオバターを加えることもしない。ポリシーは素晴らしいがクーベルチュールとしては極めて気難しい。そのためショコラティエにとっては扱いがかなり厄介なのだ。

 “ルイ・エ・レイ”だけでなく、使われた2種類の“カカオクルード”のクーベルチュールも単体でテイスティングしてみた。「ルイ」に使ったものは、レモンピールを練り込んだカカオ77%のクーベルチュール。レモンの香りは良いけれど高カカオのためか荒さや苦味がかなり強く残る。そこで香南子さんはレモン果汁、砂糖漬けのレモンピール、レモンフラワーハニー、メイプルシュガーを練り込むことで、前出のうっとりするほど心地良い食感と味わいに仕上げた。また「レイ」に使ったものは、イタリアが得意とするジャンドゥーヤ(ヘーゼルナッツ入り)でそのままでも食べられそうではあるが、イタリア産の「トンダ・ジェンティーレ(高貴な丸いもの)」と呼ばれる最高級のヘーゼルナッツとナツメヤシをさらにプラスしたことでプレミアム感を高めるのに成功している。

  “カカオクルード”を使い続けて3年。試作を重ねた成果が今年ようやく大きく花を開いた。香南子さんがクーベルチュールに対して修行僧のような姿勢で向かい合ったからこそ成せた技だ。冒頭で讃美したかった理由のひとつがここにある。

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香南子さんの自信作。クリーム地にフルーツが散らばった断面が綺麗な「フルーツ・リコッタチーズ」はアイスデザートのカッサータのイメージ(左端から)、“カカオクルード”を使ったカカオマニアも納得の「オレンジ」、ラベンダーが香り高くフェミニンな仕上がりの「ラベンダー&ソルト」、“銀座はちみつ”とレモン、マスカルポーネチーズを使った大人気商品「ブルガリ・ブルガリ 銀座はちみつ」、抹茶と水のみで仕上げた「ブルガリ・ブルガリ 抹茶」

 年末にブルガリ銀座タワーとブルガリ イル・チョコラートは十周年を迎えた。当時、徒歩数分のご近所に暮らしていた私は、色々なご縁があって、ブルガリのイベントにお招きいただくようになり、イル・チョコラートの誕生から時代と共に変遷を遂げる様子を身近で感じるという貴重な体験をさせていただいている。

 ブルガリはイタリア・ローマに本社を構えるハイジュエラーだが、イル・チョコラートは日本生まれである。初代の日本人メートルショコラティエと当時のイタリア人支配人が二人三脚でゼロから基礎を作り上げた。そのため今ではシグニチャーとなっているイル・チョコラートの特徴の多くはこの時代に生まれたものだ。日本とイタリアを中心とした食文化と職人技の融合も今日まで受け継がれている。

 メートルショコラティエが初代から二代目の香南子さんに移り2年。今年のバレンタイコレクションの味わいは、物語の展開がますます楽しいものになることを予感させる仕上がりとなっている。旬の味覚をぜひ試してみては。

 

text © Mika Ogura 2018

 

【プロフィール】

小椋三嘉(おぐら・みか)

エッセイスト、食文化研究家。

十数年のパリ暮らしを経て帰国。2008年にはフランス観光開発機構・ パリ観光会議局の名誉ある「プレス功労賞」を受賞。フランスのチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ」の会員。著書は『高級ショコラのすべて』、『チョコレートのソムリエになる』、『ショコラが大好き!』、『アラン・デュカス進化するシェフの饗宴』、『パリを歩いて―ミカのパリ案内―』など多数。

 

【商品情報】
●サン・ヴァレンティーノ 2018 “ルイ・エ・レイ”

 

【20180115発売】Lui e Lei2018 2pcs
2個入り
価格:3,800円(税込)
「ルイ」:レモンピールのガナッシュをホワイトチョコレートでコーティング。
「レイ」:イタリア産ヘーゼルナッツとデーツのジャンドゥーヤガナッシュをビターチョコレートでコーティング。

 

●サン・ヴァレンティーノ 2018

【20180115発売】Lui e Lei2018 4pcs
4個入り
価格:4,800円(税込)
「サン・ヴァレンティーノ2018 “ルイ・エ・レイ” 」に、2つのフレーバーを加えたスペシャルボックスが登場します。
アーモンド:シチリア産のアーモンドをふんだんに使ったミルクチョコレートガナッシュをビターチョコレートでコーティング
オリーブ:香り高いエキストラヴァージンオリーブオイルのガナッシュをビターチョコレートでコーティング

 

【取扱場所】
ブルガリ銀座タワー10F「BVLGARI Il Cioccolato」
松屋銀座B1F「BVLGARI Il Cioccolato」
阪急うめだ本店5F「BVLGARI Il Café」
大阪高島屋B1F「BVLGARI Il Cioccolato」
オンラインショップ  gourmet.bulgari.com
その他、ポップアップストアの出店あり。

 

【お問合せ】
ブルガリ イル・チョコラート
TEL:03-6362-0510(代表)