阿弥陀信仰をいち早く広めた僧侶、空也上人の没後1050年に当たる本年。市井の人々から絶大な信仰を得た空也上人の足跡を追いながら、上人が創建した六波羅蜜寺(創建時は西光寺と称した)の歴史を辿る展覧会、特別展「空也上人と六波羅蜜寺」が、東京国立博物館 本館特別5室にて開催中だ。


重要文化財 空也上人立像 康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵 写真 城野誠治
第一章では、東京では半世紀ぶりの公開となる重要文化財の空也上人立像をはじめ、六波羅蜜寺創建時につくられた重要文化財の四天王立像、重要文化財の薬師如来坐像などを展示。
平安京に疫病が流行した際、南無阿弥陀仏ととなえて念仏を広めた空也上人を写実的にあらわした空也上人立像は、運慶の四男である康勝の代表作。口から6体の阿弥陀仏が現れ出るさまは、上人が念仏をとなえると、その声が阿弥陀如来の姿に変じたとする伝承を立体化したものとして有名だ。六波羅蜜寺では正面からの拝観だが、本展では360°あらゆる角度からお像を鑑賞できる。


重要文化財 四天王立像のうち持国天立像 平安時代・10世紀 京都・六波羅蜜寺蔵 写真 城野誠治


重要文化財 薬師如来坐像 平安時代・10世紀 京都・六波羅蜜寺蔵
第2章では“六波羅とゆかりの人びと”と題して、古くは鳥辺野という葬送の地であり、信仰の場でもあった六波羅の独特の立地が生み出した信仰の蓄積を紹介。


重要文化財 地蔵菩薩立像 平安時代・11世紀 京都・六波羅蜜寺蔵


重要文化財 伝平清盛坐像 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵
定朝作と伝えられる地蔵菩薩立像や伝平清盛坐像(いずれも重要文化財)など、平安から鎌倉時代の彫刻の名宝が一堂に集結するほか、十王図などの絵画や文書なども展示されている。


六波羅蜜寺 写真 浅沼光晴
平安時代中期、都に蔓延した伝染病を鎮めるため自ら念仏をとなえながら町を歩き、民衆に尽くした空也上人。当時と同じような状況下にある今、改めてその御心に触れてみてはいかがだろうか。
◆特別展 「空也上人と六波羅蜜寺」
【会期】開催中~2022年5月8日(日)
※事前予約(日時指定券)推奨
【会場】東京国立博物館 本館特別5室
東京都台東区上野公園13-9
【開館時間】9:30~17:00
【休館日】月曜日、3月22日(火)
※ただし3月21日(月・祝)、3月28日(月)、5月2日(月)は開館
【お問い合わせ】050-5541-8600(ハローダイヤル)
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