元号が改まり、「令和」という時代が始まった。この「令和」という元号の由来は、万葉集の「梅花(うめのはな)の歌三十二首」にあるといわれる。歌に詠まれているのは、梅花の宴。厳しい冬に耐えて最初に咲く可憐な梅の花は、春の訪れを寿ぐものであった。新時代を象徴するにふさわしいこの元号を寿ぎ製作されたのが、深川製磁の「紅白梅扇面紋 陽刻盛鉢」だ。
この深川製磁の創設者である深川忠次の名を、一躍世界に知らしめたのは、1900年に開催されたパリ万博のこと。日本館のエントランスに飾られた一対の大花瓶「染錦金襴手丸紋鳳凰文様」は、シルエットや華美で繊細な日本文様がヨーロッパの人々から高く評価され、最高栄誉とされる金賞のメダーユドールを受賞した。
忠次が確立した有田焼の“深川様式”は、日本の伝統的な文様に西洋人が好む華やかなデザインを盛り込んだスタイルだ。
英語が堪能だったという忠次は積極的に海外へ進出し、ヨーロッパで好まれる朝顔や、オールドローズの絵柄を採用したり、彫刻を取り入れたりと、世界で受け入れられる有田焼のデザインを模索し続けた。
またその一方で忠次は、伝統的な有田焼の素材や絵付け、焼成などの手法は厳守するべきである、とも考えていた。時代や顧客のニーズに合わせた革新的なデザインと伝統的な手法の融合によって生み出されるのが、深川製磁の器というわけだ。


金彩の扇と紅白の梅の花、若草色の小枝が絶妙に配された絵柄。渋く光るプラチナの枝が、日本的な美意識を象徴している
そして今回、忠次の時代から100年を経て、皇室や各国の日本大使館などで重用されてきた深川製磁が、新しき「令和」の時代を迎えるにあたって「紅白梅扇面紋 陽刻盛鉢」を製作した。
鳳凰陽刻鉢に紅白の梅花の枝と金彩扇が描かれ、白磁の肌の美しさに映える。扇に施された青海波と雲地紋の緻密さ、繊細に描かれた若草色の小枝の表現に目を見張る。2 つの扇を繋ぐように絵が描かれた太枝にプラチナを配し、見る角度によって鈍く光る枝が奥ゆかしい。雄大に鳳凰が陽刻され浮かび上がる様子は、無限に広がる未来へとはばたくようだ。
◆慶祝 新元号「令和」記念作品『紅白梅扇面紋 陽刻盛鉢』
価格:¥10,800(税込)
販売店:深川製磁 直営店(有田、六本木、大阪、博多、佐賀、仙台)、および全国の有名百貨店
https://www.fukagawa-seiji.co.jp/ec/
Premium Japan Members へのご招待
最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。