桜始開

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第十一候 春分 次候「桜始開」

2020.3.17

桜始開 (さくらはじめてひらく)
寒の戻りに見舞われながらも、
桜が花開く頃

日本の季節は春・夏・秋・冬の四つだけではなく、初春の立春から始まり、晩冬の大寒に終わる二十四節気、さらに二十四節気をそれぞれ三つに分けて一年を72等分した、七十二候という細分化された繊細な季節がある。

 

「今=ここ」にある季節を、コンテンポラリーに切り取ったビジュアル、そして季寄せ―――

季節の気配・花鳥風月・草木などの折々の自然に眼差しを向ける感性豊かな暦・歳時記を意識した日常ほど、贅沢なものはない。

2020年3月20日〜4月3日 二十四節気 / 春分 2020年3月20日〜4月3日 二十四節気 / 春分

2020年3月20日〜4月3日
二十四節気 / 春分

二十四節気の中で春分(しゅんぶん)とは昼夜の長さが同じになるとき。太陽が真東から昇って真西に沈み、この日から昼の時間が長くなり始める。この頃には雨と晴れの日を繰り返し、一雨ごとに暖かさを実感できるが、急に寒気団が南下して真冬の寒さに戻ることがあり、寒の戻りと呼ばれる。春の彼岸は春分を中日に前後3日間を合わせた7日間を指す。

 

七十二候では、春分は第十候(初候)雀始巣(すずめはじめてすくう)3/20〜3/24(2020)、第十一候(次候)桜始開 (さくらはじめてひらく)3/25〜3/29 (2020)、第十二候(末候)雷乃発声 (かみなりこえをいだす)3/30〜4/3(2020)の三つの季節に分けられる。

 

春分の頃になると巣作りを始めるのが雀。雀は人家や田畑のそばに棲息する、人間ともっとも距離の近い野鳥でもある。春空の下、忙しく飛びまわる雀の姿に、私たちは慣れ親しんできた。日本人にとって、古来、花とは桜のこと。桜を愛で、歌に詠んできたが、今もこの花は春の到来を告げる象徴だ。卒業、入学、就職・・日本では大切な人生の節目は桜の記憶と共にある。桜の季節と隣合わせにあるのが不安定な気候。寒冷前線の通過などにより、急な気温の低下や雪、ひょうを伴う春雷が鳴ることも多い。春の気候が安定するのは、もう少し先だ。

第十一候(次候) 桜始開 (さくらはじめてひらく) 第十一候(次候) 桜始開 (さくらはじめてひらく)

第十一候(次候)
桜始開 (さくらはじめてひらく)

緋色の寒緋桜、紅色の河津桜・・・

季節の変化を告げる桜の中で

春を実感させてくれるのは、

染井吉野の他にない。

赤い蕾を淡紅色に開き、

やがて満開の頃には白く。

柔らかに芽吹き始めた黄緑色の葉を

麗らかに啼く鶯の姿に見紛えて。


春分の歳時記・季寄せ 春分の歳時記・季寄せ

春分の歳時記・季寄せ

二十四節気 / 春分

七十二候 /

第十候(初候)雀始巣 (すずめはじめてすくう)3/20〜3/24(2020)

第十一候(次候)桜始開 (さくらはじめてひらく)3/25〜3/29 (2020)

第十二候(末候)雷乃発声 (かみなりこえをいだす)3/30〜4/3(2020)

 

気配:寒の戻り 春雷  花:桜 辛夷(こぶし) 茶花:木蓮 貝母の花

襲(かさね)の色目:若草(表-淡青 裏-濃青) 桜(表-白 裏-赤花)

行事:花見 鳥:ひばり 装い:袷

料理:つくしの佃煮  菓子:桜餅

魚貝:桜えび 白魚 野菜:みつば つくし

星座:かに座 季語:春の山 花冷え

俳句:夕桜家ある人はとくかえる(一茶)

Photography by Mai Kise

 

参考文献:『季語・歳時』『二十四節気と暦』国立天文台 暦計算室 貴重資料展示室、『合本俳句歳時記第五版』角川書店、『かさねの色目-平安の配彩美』青幻舎、『四季の暮らし美しい朝夕巻一四季の着物春・夏』講談社、『美しい季語の花』誠文堂新光社、『日本の行事を楽しむ12カ月 くらしの歳時記』主婦の友社

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