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2020年に向けて銀座が開始するプロジェクト「G2020」《後編》

2018.02.28

銀座のガイドインフォメーション 「G Info」

 多様なお客が集まる街として、バリアフリー対策も重要な問題のひとつ。G2020では、高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、さまざまな視点を持つ人々と向き合うための心構えや行動を意味するユニバーサルマナーを学ぶ場を設けています。


ユニバーサルマナー検定講座の様子

  「これまでにユニバーサルマナー出張検定を10回実施し、全銀座会から300名以上が参加しました。検定講座の講師は、日本ユニバーサルマナー協会・代表理事の垣内俊哉さんはじめ、実際に障害を持つ方々。リアルな体験やお考えを聞くことで、『本当に必要とされる心がけ』や、一方で『実は我々の考えすぎな面』などを知り、非常に気付きの多い機会となっています」(永井さん)。永井さんも検定を受けたひとりで、3級と2級を取得しました。前回のオリンピックのように、今は、新たにビルを建て、道路を造り、という時代ではありません。銀座では、ハード面での改修だけに頼らず、このようにソフト面を充実させることで、よりきめ細やかなおもてなしを実現しようとしています。

 「銀座では、また、オリンピックと連携した催しができないかを模索しています。例えば聖火リレーは銀座通り(中央通り)を通っていただきたいとか、開催前のカウントダウンを銀座でぜひやって欲しいというお願いを、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にもお話ししています」(遠藤さん)。ロンドンオリンピックの際には、銀座の中央通りで史上初の日本選手団のメダリストパレードが実施され、沿道には約50万人が集まり、声援を送りました。また、リオオリンピック前には、パラリンピック競技の魅力を伝える「NO LIMITS SPECIAL GINZA & TOKYO」を実施。平日ながら2万2000人を集客したという実績もあります。

 オリンピック期間中はスポーツ以外にも文化プログラムを開催しなければならないという規定がオリンピック憲章にあるため、銀座ならでの文化プログラムの立案・実行を計画しています。現在はその前段階として、全銀座会・会員向けの勉強会を継続開催し、具体的なイベントやプログラムへの落とし込みを進めています。毎年行われている、「銀座柳まつり」や「ゆかたで銀ぶら」などのような大型イベントをオリンピックに合わせてマイナーチェンジしたり、新企画を実施することも検討中とのことです。

 「我々のこういった銀座での活動はみな、本業の商売のかたわらで行うボランティア。実はイベントひとつとっても、企業に協賛をお願いしたり、区からの補助金をいただくなどして行うことがほとんどなのです」(永井さん)。

 銀座=お金持ちの印象を持つ、我々外部からすれば、意外にも思える話。そう問いかけると、おふたりは大笑いします。実は昨年2017年12月から、中央区も「ふるさと中央区応援寄附」をスタートしました。寄付金は税額控除の優遇が受けられる他、活用方法を指定することが可能。応援したい団体、例えば全銀座会などを指定して納税することもできるようになりました。「根本的には何せ銀座は商店街ですから、いつも『お金がない』という話ばかりですよ(笑)。私も住まいは中央区外なので、早速昨年末、「ふるさと中央区応援寄附」をしたところです。しかし大資本主導のダイナミズムはないかもしれませんが、その分、銀座に対するプライドをもって、お客さまに本当に楽しんでいただける街づくりに務めています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、その成功を目指すだけでなく、今後、銀座がそのブランド価値を高め、維持していけるかの、本当に重要なタイミングなのです」(遠藤さん)。


 
 1年後には、ラグビーワールドカップ2019日本大会が開催。そしてその翌年は東京オリンピック・パラリンピックと、もう、「その時」は目前に迫っています。「銀座として、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるべくサポートを行い、お客さまに喜んでいただける街づくりを進めていく所存です。今後、具体的な企画を発信していく予定ですので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います」(遠藤さん)。

 

お話をうかがった人:

遠藤 彬さん (遠藤波津子グループ 代表取締役社長)

1943年生まれ。四代目遠藤波津子の次男として東京に生まれる。
慶応大学商学部卒業後、札幌テレビ放送 株式会社に入社。1973年、株式会社遠藤波津子美容室入社、常務取締役に就任。1993年、株式会社遠藤波津子美容室 代表取締役社長、株式会社遠藤波津子きものさろん(現 株式会社ハツコ エンドウ ウエディングス)代表取締役社長就任、現在に至る。1980年代、婚礼衣装が洋装に変わるのに伴い、銀座に「遠藤波津子ウエディング・コレクション」を開店し、常に数百着のドレスが用意されたショールームで、ゆっくりと衣装が選べるスタイルを確立。また1990年代には日本の老舗ホテルとの関係を維持しながらも、外資系ホテルへの出店をスタート。婚礼衣装以外にも、一般美容室、婚礼美容室、エステティックなど多様なニーズに対応するべく事業を拡大した。また、ライフワークとして銀座通連合会の副理事長、理事長及び全銀座会代表幹事を歴任し、2016年6月より会長に就任。「銀座街づくり会議」、「銀座デザイン協議会」を設立し、銀座の街の様々な活動に日々携わっている。2020年の東京オリンピックに向けて設立された「全銀座オリンピック・パラリンピック対応委員会」委員長を兼任。

 

永井真未さん (全銀座会G2020事務局、株式会社越後屋 取締役部長)

1975年生まれ。八代目永井甚右衛門の長女として東京に生まれる。
上智大学法学部卒業後、東京都住宅供給公社に入社。その後、ビジネスホテルを運営するベンチャー企業で、事業の立ち上げなどに従事した後、東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社に入社、東急電鉄のグループ会社へ出向し、経理担当として経理業務の効率化や改善提案などを行う。2010年より、家業である株式会社越後屋へ入社し、間接部門を担当。また、銀座の商店・会社経営者のメンバーで構成される地元青年団体である銀実会に参加し、銀座で行われる催事の企画運営に携わってきたことをきっかけに、2014年より全銀座会G2020事務局を務める。

 

インタビュー 編集長 島村美緒 文 木原美芽