破格にして奇想天外。天明屋尚が問う“日本の美意識”の行方

2017.01.28

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日本に息づく“ストリート的な美”を独自に探求

日本の文化芸術に特有の美意識といえば、多くの人が「侘び・寂び」と答えることでしょう。でも、果たしてそれだけでしょうか?

大胆にして豪快、度肝を抜かれるほどに奇想天外——。刀を携え、命を賭した戦いに臨みながら、オリジナリティ溢れる文化を築き上げた武人たち。その精神性が息づく“ストリート的”な美の系譜を、現代的な感覚で表現し続けるアーティスト、天明屋尚(てんみょうや・ひさし)の新作個展が、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催されています。

写真(上)/ 天明屋尚『黒漆色々威朱塗兜二枚胴具足机器人』2016年(部分)

rd1700_(2)tengai天明屋尚『飛ビ出ス百鬼夜行洛中洛外図屏風』2017年:幕末明治期の作とされる作者不明の洛中洛外図屏風(六曲一双)を変容させた、自身最大級となる平面作品

革新的な美術概念「BASARA」で挑む新作個展

天明屋さんは、アカデミズムや因習にとらわれた権威主義的な日本の美術体制に対して、日本の伝統絵画を現代に転生させる独自の絵画表現「ネオ日本画」を追求。南北朝期の婆娑羅(ばさら)、戦国末期の傾奇者(かぶきもの)など、異端、悪趣味と貶められてきた華美(過美)で覇格(破格)な美の系譜に注目し、革新的な美術概念「BASARA」を提唱しています。

2年ぶりとなる今回の個展では、「形質転換(Transformation)」と題して新作を発表。形質転換とは、遺伝情報に外部からのDNAを組み込み、個体の表現型を変化させる行為を指す生物学用語ですが、その意味するところとは何でしょうか。

 

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