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第11回:ディープ・ジャパン・トリップ 「忍者の隠れ家に出会う Vol. 2」

2018.04.04
築城の名手、藤堂高虎によって造られた伊賀上野城

美しい木造の天守閣と日本一、二の高さ(約30m)を誇る石垣

 

年、伊賀(三重県)と甲賀(滋賀県)が「忍者」のテーマで、文化庁日本遺産の認定を受けました。そしてなんと、いつの間にか、世の中には密かに忍者ブームが到来しています。2015年2月22日には、伊賀・甲賀両市の協力で、2月22日を「忍者の日」と制定。さらに同年10月には、全国各地の忍者に縁のある地方自治体の首長が集まり、「日本忍者協議会」を発足。会長は、忍者の一番の里である伊賀市を擁する三重県知事、鈴木英敬氏。2020年オリンピック・パラリンピック開催を見据えて、自治体、大学、観光協会、民間団体、事業所が、あらゆる垣根を超えて集結し、忍者の学術研究や情報収集・情報発信を行い、忍者による観光振興、文化振興、地域掲載の活性化を図ることを目的としています。

更に、今年2月22日には、永田町で自民党による「忍者NINJA議員連盟」が発足。忍者の魅力を、もはや国をあげて世界に発信して行こうという動きまで出てきているのです。

 

忍者の里、伊賀。全国でも特に優れた忍術が発達した伊賀の忍者。彼らは主に諜報活動や諜略活動を任務とし、敵の情報を収集する”影の立役者”でした。

 

ぜ今、忍者ブームなのか?

先日、出版社KADOKAWAで忍者の本を編集する女性編集者、麻田江里子さんと忍者トークをした折にも、そのことに触れたのですが、その背景には、昨今の地球を取り巻く不安定な状況があるのではないか、という分析です。世の中が不安定で、解明できない不可解な状況があればあるほど、忍びの者として情報収集し、世の中を密かに動かしていたと思われる忍者に、人々は惹かれるのではないか・・・そんな風に考えてみました。この分析は、ちょっと興味深くないですか?

ところで、世界中の忍者好きが集まるイベントがあることはご存知ですか?三重県・伊賀市で毎年開催される「伊賀上野NINJAフェスタ」です。今年は、4月7日から5月6日まで開催されますが、その間、伊賀市では、忍者をテーマにしたイベントが盛りだくさんです。開催期間中の土・日・祝には、「忍者変身処」が開設され、忍者に変身できるのですが、「忍者犬変身処」まであり、ワンちゃんと一緒に忍者コスプレが楽しめるというのです。忍者のメッカと言われるこの地では、2017年2月22日に「忍者市」を宣言し、岡本栄伊賀市長自らが、あらゆる場に、忍者スタイルで出かけることも話題となっています。

者好きのメッカである伊賀上野城、様々な仕掛けが楽しめる伊賀流忍者博物館はもちろん訪ねたい場所ですが、ちょっとディープな旅を目指すなら、伊賀忍者ゆかりの神社仏閣29箇所専用のご朱印帳を手に入れて、忍者にまつわる歴史が眠る神社仏閣を訪ねてみるのはどうでしょう?お隣の甲賀市にまで足を伸ばせば、油日神社という、忍者が集って情報交換をしていたと言われる曰く付きの神社も訪ねられるのです。

御朱印帳

 

俳聖殿(国指定重要文化財)

 

伊賀市はまた、松尾芭蕉の出身地としても知られていますが、芭蕉は全国を歩いており、その駈けめぐり形からして忍者だったのでは?という説もありますが、その芭蕉ゆかりの地、俳聖殿、芭蕉翁記念館、芭蕉翁生家も興味深いです。せっかく伊賀市まで出かけたのなら、とびきりのグルメスポット、ショッピンクが楽しめる場所もぜひお勧めしたいですね。

 

近訪ねて大感激したのは、伊賀牛の老舗「金谷」のバター焼き。同じ三重県の名産である松坂牛とは対局にある伊賀牛は、赤身肉が売りの隠れ名物です。伊賀牛は産出量が少なく、伊賀市の中でしか消費されていない幻の牛肉と言われているのですが、その伊賀牛が贅沢に味わえるお店の筆頭が金谷なのです。厚手の伊賀牛を、たっぷりの大根おろしとお野菜といただく贅沢は、他では味わえない絶品グルメです。

 

また、良質の土鍋で定評のある伊賀焼の里でもあるので、是非とも訪ねたいのが、ご飯炊き専門の土鍋かまどさんやタジン鍋で知られる「伊賀焼窯元 長谷園」と、白洲正子さんとも交流のあった伊賀焼窯元「土楽」、そしてのどかな田園風景の中で突然モダンな工芸に出会える「ギャラリーやまほん」も、立ち寄る価値大!伊賀市へは、ローカル電車でコトコト出かける、名古屋から高速バスに乗る、車で周るなど、アクセス方法は様々。忍者の里ですから、是非、忍者気分で快適かつ効率の良いアクセス方法を考案してみてくださいね。ニンニン!

「長谷園」のかまどさん

 

INFORMATION/インフォメーション

 

伊賀上野NINJA フェスタ
http://www.iga.ne.jp/~ninjafesta/

 

元祖 伊賀肉「金谷」
http://www.gansoiganiku-kanaya.co.jp

 

伊賀焼窯元 長谷園(ながたにえん)
https://www.igamono.co.jp

 

土楽
http://doraku-gama.com/

 

ギャラリーやまほん
http://www.gallery-yamahon.com

 

<プロフィール>

生駒芳子(いこま よしこ) 

VOGUE、ELLEを経て、マリ・クレール日本版の編集長を務める。2008年に独立し、ファッションからアート、デザイン、伝統工芸、エシカル、クール・ジャパン、社会貢献、女性のエンパワメントまで、幅広く執筆・編集・企画・プロデュースを手がける。2010年より、日本の伝統工芸を世界発進するプロジェクト「工芸ルネッサンスWAO」の総合プロデューサーを務め、パリ、ニューヨーク、東京で、ファッションやデザイン、アートを切り口としたキュレーションで伝統工芸世界を紹介。2017年、伝統工芸をベースに置いたラグジュアリーでクリエイティブなオリジナルブランド「HIRUME」を立ち上げ、2018年より本格発信をスタート。