青い空と深い緑に抱かれた自然豊かな環境で美術体験が叶う、群馬県の「原美術館 ARC」にて、「雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション」展が開催中だ。会期は第一期が2022年9月4日(日)まで、第二期が2022年9月10日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで。期間中は、現代美術の「原美術館コレクション」と東洋古美術の「原六郎コレクション」を2期に分けて展観する。


辰野登恵子「無題 97-4」1997年 カンヴァスに油彩 218×291cm(第1期(春夏季)出品作品)
「雲をつかむ」という言葉は漠然としてとらえどころのない様を表し、少々ネガティブな印象を与えるが、それとは反対に、非現実的と思われることにあえて挑戦する姿勢、といったポジティブな言葉と捉えることもできる。


山口長男「かたち」1952年 木板に油彩 186 x 186 cm(第1期(春夏季)出品作品)
現代美術ギャラリーA、B、Cでは、そのような「雲をつかむ」という言葉を基に、作家が自己や美術、社会の本質をつかもうと独自の理論・手法を編み出して制作した作品や、概念を作品化したもの、不可解な光景が連なる多義的な写真作品などを展示。


「仏涅槃図」桃山時代 絹本著色 一幅 163.0 x 108.9 cm(第1期(春夏季)出品作品)
一方、特別展示室「觀海庵(かんかいあん)」では、雲を描くことで場面を転換したり、時の流れを表したりする日本近世絵画や、仏教絵画における雲の表現を鑑賞できる。また、円山応挙の『淀川両岸図巻』(下図)を巻き替えながら通年で展示。本図を描くための応挙の淀川体験と意図を、下図から読み解いていく。
2021年4月に「原美術館」とその別館「ハラ ミュージアム アーク」が活動を集約し、リニューアルオープンした「原美術館ARC」では、建築家の磯崎新が設計を手がけ、 やわらかい自然光が降り注ぐシンプルな空間の中で、ゆったりと現代美術を鑑賞できる。さらに、書院造をモチーフにした静謐な和の空間が広がる特別展示室「觀海庵」や、アンディ ウォーホルやオラファー エリアソンなど、国内外のアーティストの作品が並ぶ庭も広がり、見どころが満載だ。
近隣には、古くから湯治場として知られる「伊香保温泉」や名門ゴルフコース「伊香保カントリークラブ」など、観光やレジャースポットも充実しているので、この機会にぜひ足を運んでみては。
◆展覧会名 雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション
【会期】第1期(春夏季) 開催中~2022年9月4日(日)
第2期(秋冬季) 2022年9月10日(土)~2023年1月9日(月・祝)
※特別展示室・觀海庵は、第 1期、第2期ともに会期中各1回の展示替えがあります。
【会場】原美術館 ARC
【開館時間】9:30~16:30(入館は16:00まで)
【休館日】木曜日(祝日と8月、12月29日を除く)、展示替え期間、1月1日、冬季
【入館料】一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円
※原美術館 ARC メンバーシップ会員は無料
※学期中の土曜日は群馬県内の小中学生の入館無料
※ぐーちょきパスポートをご提示の方、70 歳以上の方、障がいのある方は特別料金規定あり
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