秋の味覚が美味しい季節となってきた。今日紹介するのは北海道余市町で収穫される遅摘みのケルナーの白ワインだ。収穫を若干遅くすることでブドウの糖分を上げて、ほんのり甘さを残したワインに仕上げている。
ケルナーという品種は、黒ブドウのトロリンガーと白ブドウのリースリングの掛け合わせで、1929年にドイツで生まれた。寒さに強く、日本では大半が北海道で栽培されている。親であるリースリングの華やかでアロマティックな特徴を引き継いでおり、マスカットや花の香りがグラスからどんどん広がるフルーティーなワインになる。
そして、ワインにおいて大切なのは原料ブドウが育つ場所。北海道の余市町はウイスキーで有名だが、実はブドウ栽培においても道内随一の高品質なブドウが育つ産地なのだ。
辛口嗜好の現代に逆行するかもしれない、少し甘みを感じさせるこのワイン。ところが日本の食卓に上がるおかずとは相性がいい。グランポレールアンバサダー・大越基裕氏のおすすめは「余市 ケルナー <遅摘み>」とじゃがバターの組み合わせだ。さっそくワインを開けて、実践あるのみ。ジャガイモのホクホクとした甘味にバターの芳醇さが加わると、予想以上にワインのフルーティーさと少しの残糖が好相性を奏でてくれる。他にはみりんやお砂糖を加えた煮込み料理、例えば肉じゃがや、カボチャのそぼろあんかけと合わせてみたら、ひとつの新たな料理が生まれたような一体感を楽しめた。エビやさつまいもの天ぷらにもいい。これからの季節、冷蔵庫に1本入っていると重宝するワインだ。
余市ケルナー <遅摘み>
造り手: グランポレール / チーフワインメーカー:工藤 雅義
所在地:北海道余市
品種:ケルナー 100%
特徴:「グランポレール」はサッポロビールの国産プレミアムワイン。「北海道」「山梨」「長野」「岡山」の自然に恵まれた4つの産地と醸造家の情熱が生み出す品質は、国内外で評価されている。ワインテイスターであり、JAL国際線のワインアドバイザーや多数の飲食店の飲料ディレクターを務めるなど大活躍中の大越基裕氏を2020年よりアンバサダーに迎え、郷土料理ペアリングを打ち出すなど発信力がさらに上がった。北海道の北斗市にもヴィンヤードを広げており、ますます目が離せない。
合わせる料理: ほんのり甘味がありながらも軽快に飲めるフルーティーなワインなので、料理はあまり重くなりすぎずに、食材の甘みを生かしたものや、お砂糖やみりんを使う味付けがこのワインとよく合う。肉じゃが、カボチャのそぼろあんかけ、エビやさつまいもの天ぷらと好相性。
価格:2,308円(税抜)
松木リエ Rie Matsuki
ソムリエ WSET® Level 4 Diploma、A.S.I.世界ソムリエ協会認定 International Sommelier Diploma- Gold。タイユバン・ロブションなどを経て2006年渡仏。南仏にて世界最優秀ソムリエのエンリコ・ベルナルド氏に師事し、その後パリの星付きレストランで6年間ソムリエとして従事。帰国後マンダリン オリエンタル 東京のソムリエを経て独立。現在はキャプラン ワインアカデミーなどで講師をつとめるほか、ワインの普及のための活動を行なっている。
Photography by Sogen Takahashi(amana)
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