1992年にデビューをして以来、映画・舞台・テレビ・CMと多彩な活躍を続けてきた女優・坂井真紀。

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柳原照弘が繋ぐ温かな人の輪

2019.11.21

3. 演じる楽しさは喜んでもらえること。女優・坂井真紀のエネルギーは良い人間関係から生まれる

1992年にデビューをして以来、映画・舞台・テレビ・CMと多彩な活躍を続けてきた女優・坂井真紀。夫である写真家の鈴木心を通して交流を深めたデザイナー・柳原照弘と彼女には、仕事においてもプライベートにおいても人間関係を何よりも大切にしているという共通点がある。そして、彼女は日々の暮らしを丁寧に生きる。映画であれ、舞台であれ、演技には日常の暮らし方がそのまま写し出されると考えているからだ。

 

談・坂井真紀

今は、演劇界でもっとも注目されている若手の一人である根本宗子さんの舞台の稽古中です。根本さんが23歳くらいの時に書いた『今、出来る、精一杯。』という作品で、人が必死にもがいて生きているという話。脚本にすごくエネルギーがあります。稽古が始まって顔合わせした時は、奇跡的に楽しいメンバーが集まったなと思いました。舞台中心に活躍されている人もいれば、ミュージシャンで舞台は初めてという人もいて…。根本さんの舞台の中でも、今までに観たことがないものができるんじゃないかと思っています。

シンプルを極めた服とヘアスタイルに坂井らしさがある。 シンプルを極めた服とヘアスタイルに坂井らしさがある。

シンプルを極めた服とヘアスタイルに坂井らしさがある。

出演する作品を選ぶポイントは、心惹かれる何かがあるかどうか。監督が好きとか、台本がとても良いとか、一つでも心惹かれるものがあったら、飛び込むことにしています。今は年齢も重ねたので、少しでも皆さんのお役に立てたらいいなという思いがあって。お声掛けいただいたら、スケジュールさえ合えば、何でもやりたい気持ちでいます。

 

どんな仕事でもそうかも知れないのですが、演じることの楽しさは、人の役に立って、喜んでもらえることです。観てくれた人が喜んで下さるのが一番嬉しい。現場のスタッフさんが喜んでくれたり、監督さんが笑顔でOKを下さったりするのも嬉しいし、舞台だと直にお客様の反応が伝わるので、すごく楽しい。お芝居はチームワークなので、人間関係が良ければ、いい作品ができると思うんです。大きな意味で言うと、生きていること自体がチームワークですよね。個人プレーでは生きられないので…。だから、何事でも人間関係を大切にすると、いい方向に向かう気がしています。


ただ美形ではなく、しっかりとした内面が現れた美しさ。 ただ美形ではなく、しっかりとした内面が現れた美しさ。

ただ美形ではなく、しっかりとした内面が現れた美しさ。

目標にしている女優は、田中裕子さんや樹木希林さん。理由は生き様が見える女優さんだからです。私たち女優も普通の人間を演じるので、ちゃんと生きている匂いがする人が素敵だなと思っていて、とても惹かれます。一番好きな映画はスウェーデンのラッセ・ハルストレム監督の『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』。小さな村の話で、何も起こらないと言えば起こらないのですが、やはり人がすごくちゃんと生きています。私もバスや電車に普通に乗りますし、家事ももちろんやっています。大根の値段が分かるような暮らしをしたいです。日々を大切に、丁寧に暮らしていきたいですね。

足元は上質のレースアップシューズ。 足元は上質のレースアップシューズ。

足元は上質のレースアップシューズ。


子供がまだ小学校2年なので、現実は毎日テンパっています。このタイミングでご飯作ってとか、子供と仕事のスケジュールでいつも頭がいっぱいです。でも、これがずっと続くわけではないし、今しかないと思うと、逆に楽しい。一つの命を預かっているからか、不思議と力が出て、できてしまうものですね。

作品を観てくださる方々に感謝の気持ちを届けたい。 作品を観てくださる方々に感謝の気持ちを届けたい。

作品を観てくださる方々に感謝の気持ちを届けたい。

これからは、一つ一つの作品を観る人に大切に届けて、今まで生きて来た感謝の気持ちを伝えたい。こう言うと、もう終わりに近づいているみたいですが、そうではなく、感謝の気持ちを持ちながら、どんどん攻めていきたいと思っています。


坂井真紀 坂井真紀

Profile

坂井真紀 Maki Sakai
1970年生まれ、東京都出身。1992年に女優デビュー。以来、映画・CM・ドラマ・舞台で幅広く活躍する。2008年、映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』で第18回日本映画批評家大賞助演女優賞、第23回高崎映画祭特別賞を受賞。2019年は映画『駅までの道をおしえて』『108〜海馬五郎の復讐と冒険〜』『ブラック校則』、ドラマ『詐欺の子』『神の手』『歪んだ波紋』などに出演。2019年12月13日(金)〜19日(木)、 新国立劇場 中劇場で根本宗子演出による舞台、月刊「根本宗子」第17号『今、出来る、精一杯。』に出演予定。また、2020年には映画『架空OL日記』、『はるヲうるひと』の公開が控えている。

Photography by Shinto Takeshi
Styling by Yamamoto Mana
Hair&Make-up by Akamatsu Eri (esper)
Text by Yoshiko Takahashi

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