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松浦美穂が見据えるサスティナブル、オーガニック&ナチュラルな世界

2020.4.30

1. いきいきと美しく人を輝かせる〜松浦美穂の愛と平和のための思考と行動

ファッション&ビューティの世界は今、革命の季節を迎えている。環境への配慮や持続可能なシステムと、高いデザイン性や美学を融合させた製品・創作が次々と登場し、モードな分野にも新風を吹き込んでいるのだ。SDGs―― “誰一人取り残さない”持続可能な開発目標――への意識は、日常に広く浸透しつつある。多くのファンを持つ東京の美容サロン、TWIGGY.のオーナースタイリスト松浦美穂は、サロン開設当時から、環境や健康への配慮に裏打ちされた美しさを提唱し、そのための空間や製品、システムを実現してきた。その軌道と、見据える先にあるものとは。

 

談 松浦美穂

オーガニックやナチュラルな暮らしを意識するきっかけになったのは、20代後半に結婚、渡英し、1989年にロンドンで出産したことでした。当時のヨーロッパは86年のチェルノブイリの原発事故、エイズや狂牛病の余波が濃厚な時期。息子には後にアトピーとわかる症状が出て、こうした状況からベジタリアンになった時期もありました。よくないことが起きると、人はより良い方向に向かって変わるものです。

 

当時、息子を出産するため、ニールズヤードの自然療法に出逢い、それを機にハーブやナチュラルレメディについて学びはじめ、やがて東洋医学への関心に広がりました。息子が生まれた翌年に帰国、東京でサロンを開設し今年で30年。自分と家族のために学び、良いと信じてやってきたことをサロンのお客さまにも届け、多くの方々のためになったと実感できる年月でした。

TWIGGY.のサロン。渋谷区神宮前の3階建てのビルに、ヘアサロン、オーガニックカフェやイベントスペースも備え、「シンプル・サスティナビリティ・デザイン・エレガンス」をコンセプトにするライフスタイルを提案。女優やモデルをはじめ、時代の最前線にいるアーティスト、音楽家、デザイナー、スタイリスト、エディターからも高い人気を誇る。 TWIGGY.のサロン。渋谷区神宮前の3階建てのビルに、ヘアサロン、オーガニックカフェやイベントスペースも備え、「シンプル・サスティナビリティ・デザイン・エレガンス」をコンセプトにするライフスタイルを提案。女優やモデルをはじめ、時代の最前線にいるアーティスト、音楽家、デザイナー、スタイリスト、エディターからも高い人気を誇る。

TWIGGY.のサロン。渋谷区神宮前の3階建てのビルに、ヘアサロン、オーガニックカフェやイベントスペースも備え、「シンプル・サスティナビリティ・デザイン・エレガンス」をコンセプトにするライフスタイルを提案。女優やモデルをはじめ、時代の最前線にいるアーティスト、音楽家、デザイナー、スタイリスト、エディターからも高い人気を誇る。


福岡県の北九州市で生まれ、母は美容師で実家は美容室を経営し、そこで育ったことが私の原点です。美容室にはヘアスプレーの香りが漂い、従業員のお姉さんたちは髪の毛を盛り上げ、当時流行のミニスカート姿で、仕事が終わるとツイストやゴーゴーを楽しそうに踊っていて。そんな環境が、天真爛漫なこどもだった私のやんちゃ心に火を点けました。

 

さらに、伯母の家が筑豊の炭鉱町の料亭で、遊びにいくたびにそこで眺めた芸妓さんたちの姿にも強烈な印象を受けました。きれいに髪を結って化粧をし、三味線を弾いて歌ったり踊ったり。女性は化粧や髪型、着るものでこれほど変わるという一番いい場面を、母と伯母に見せてもらいました。その影響で十代からファッションやインテリアに興味を持ち、デザイナーやスタイリストに憧れながらも、母が決めて望んだ美容への道を進みました。

TWGGY.の屋上空間。12年前から屋上緑化に取り組み、都心のオアシスのようなスペースが誕生した。 TWGGY.の屋上空間。12年前から屋上緑化に取り組み、都心のオアシスのようなスペースが誕生した。

TWGGY.の屋上空間。12年前から屋上緑化に取り組み、都心のオアシスのようなスペースが誕生した。

TWIGGY. (ツイギー)という名は、私が生まれ育った1960年代のカルチャーを象徴しています。ミニスカート、ビートルズ、モデルのツイギー、ヘアドレッサーのヴィダル・サッスーンが輝いていたスウィンギング・ロンドンの時代。1980年代には音楽とファッションでモッズ・スタイルがリバイバルして、私は大好きなロンドンへ飛びました。

 

今も、すべての根底に伝統的で反骨精神にあふれたロンドンのテイストがあります。クリエイターとして心がけているのは、このスタイルをベースに、現代にふさわしい美しさでその人を生き生きと輝かせること。20代と50代ではヘアも服装も時代背景も異なるはず。私自身もお客様も、変えること・変わることを喜び、前向きにとらえていると感じます。

左:「Veganエスニックプレート」動物性食材を使わずに大豆ミートやハーブを使ったアジア風プレート。右:自然光が心地よい「TWIGGY. cafe」。そば粉のガレットや旬の野菜や果実のジュースなど、厳選した国産のオーガニック食材による料理と飲み物を提供している。漢方茶、BIOワイン、クラフトビールもある。 左:「Veganエスニックプレート」動物性食材を使わずに大豆ミートやハーブを使ったアジア風プレート。右:自然光が心地よい「TWIGGY. cafe」。そば粉のガレットや旬の野菜や果実のジュースなど、厳選した国産のオーガニック食材による料理と飲み物を提供している。漢方茶、BIOワイン、クラフトビールもある。

左:「Veganエスニックプレート」動物性食材を使わずに大豆ミートやハーブを使ったアジア風プレート。

右:自然光が心地よい「TWIGGY. cafe」。そば粉のガレットや旬の野菜や果実のジュースなど、厳選した国産のオーガニック食材による料理と飲み物を提供している。漢方茶、BIOワイン、クラフトビールもある。

TWIGGY.のヘアケアブランド「YUMEDREAMING/ユメドリーミン」の製品。 シャンプー、トリートメントなどの「ヘアケア」、ムース、ジェルなどの「ヘアスタイリング」ともに豊富なラインナップがある。国産の良質な素材を使い最新技術で処方された製品は、植物本来の生命力が凝縮され“生き生きと輝く力”を引き出し、頭皮と髪を芯から整える効果がある。 TWIGGY.のヘアケアブランド「YUMEDREAMING/ユメドリーミン」の製品。 シャンプー、トリートメントなどの「ヘアケア」、ムース、ジェルなどの「ヘアスタイリング」ともに豊富なラインナップがある。国産の良質な素材を使い最新技術で処方された製品は、植物本来の生命力が凝縮され“生き生きと輝く力”を引き出し、頭皮と髪を芯から整える効果がある。

TWIGGY.のヘアケアブランド「YUMEDREAMING/ユメドリーミン」の製品。シャンプー、トリートメントなどの「ヘアケア」、ムース、ジェルなどの「ヘアスタイリング」ともに豊富なラインナップがある。国産の良質な素材を使い最新技術で処方された製品は、植物本来の生命力が凝縮され“生き生きと輝く力”を引き出し、頭皮と髪を芯から整える効果がある。

この春は、新型コロナウイスル感染拡大防止のためサロンもしばらく休んでいましたが、その間、ドクターなど専門家の話を聞いて学びました。西洋医学と東洋医学の境界を越えた先にあるケアや、重い病にかからないための未病治療、発酵食品や微生物による腸活の大切さなどを、リーダーの責任としてサロンの若いメンバーに伝え、思いを共有しています。

 

この自粛の時期、社会活動が停滞して苦労も不安も多い反面、地球全体がきれいになって、多くの人は自分の内面を見つめることもできたと思います。自分の身体をきれいにするように地球もきれにしたい。ごみや不要になった衣料から再生エネルギーを実現する工場に見学にも行き、石油など地下資源を取らないことの大切さも学びました。代替エネルギーを使うことで地下資源を取らなければ、戦争や紛争もなくなる。その先にあるのは、愛と平和に満ちた世界です。皆が同じ目的で繋がって困難を乗り越え、日本と世界が平和に、元気になる姿こそが理想です。

秘境への旅もライフワークのひとつだった。キューバやブーダン、アフリカのマリのフリースクールなどを訪ね、異文化に触れ多くを学んできた。左はモロッコのサハラ砂漠を家族で旅した時。下はブーダンの子供たち。はつらつとした笑顔が美しい。 秘境への旅もライフワークのひとつだった。キューバやブーダン、アフリカのマリのフリースクールなどを訪ね、異文化に触れ多くを学んできた。左はモロッコのサハラ砂漠を家族で旅した時。下はブーダンの子供たち。はつらつとした笑顔が美しい。

秘境への旅もライフワークのひとつだった。キューバやブーダン、アフリカのマリのフリースクールなどを訪ね、異文化に触れ多くを学んできた。左はモロッコのサハラ砂漠を家族で旅した時。右はブーダンの子供たち。はつらつとした笑顔が美しい。

60年代の高度成長期の日本に生まれ、北九州市のスモッグの中で育ち、自由奔放な暮らしをしていた私が、自然豊かな秋田を故郷に持つ夫と出会い、オーガニックやナチュラルを意識する暮らしへ。この振り幅のかなりの大きさを、自分でも面白いと感じます。その出会いのおかげで、お米を12年間、秋田で育てることもできました。これからも、今までやり続けたことを地に足を付けて進んでいきます。

 

苦労さえも楽しみに変え、明るく太陽のようだった母。尊敬してやまない母がそうだったように、九州の女性は独立心が強く、人を元気にする力があります。私自身、この仕事を通して、自分の欲望やエゴを満たすことで、人も喜び元気になることを実感してきました。日々のことに満足し、小さなこともひとつひとつ答えを見いだして人生を歩んでいく。それこそがニーチェも唱えたエピキュリアン・快楽主義のあり方だと感じています。

 

→次は岩元美智彦(日本環境設計株式会社取締役会長)です。

 

(敬称略)

松浦美穂 Miho Matsuura TWIGGY. オーナースタイリスト 美容師、ヘアメイクを経て渡英。1990年、帰国後にヘアサロン「ツイギー」を設立。サロンワークに加え、雑誌、広告、ショーでも幅広く活躍。2003年、AVEDA日本上陸に伴いアーティスティック ディレクターに就任し、5年に渡り商品開発アドバイスやヘアスタイル提案を行う。ナチュラルな中に革新的な要素を加えることをテーマとし、一人ひとりの個性に応じた美容、健康、ファッションをヘアスタイルとともに提案している。 松浦美穂 Miho Matsuura TWIGGY. オーナースタイリスト 美容師、ヘアメイクを経て渡英。1990年、帰国後にヘアサロン「ツイギー」を設立。サロンワークに加え、雑誌、広告、ショーでも幅広く活躍。2003年、AVEDA日本上陸に伴いアーティスティック ディレクターに就任し、5年に渡り商品開発アドバイスやヘアスタイル提案を行う。ナチュラルな中に革新的な要素を加えることをテーマとし、一人ひとりの個性に応じた美容、健康、ファッションをヘアスタイルとともに提案している。

Profile

松浦美穂 Miho Matsuura

TWIGGY. オーナースタイリスト
美容師、ヘアメイクを経て渡英。1990年、帰国後にヘアサロン「ツイギー」を設立。サロンワークに加え、雑誌、広告、ショーでも幅広く活躍。2003年から5年に渡り、AVEDA日本上陸に伴いアーティスティック ディレクターに就任。その後、TWIGGY.オリジナルのヘアプロダクト「YUMEDREAMING」を開発。“髪は頭皮ケアから”を提唱し、また“皮膚は食事から”の考え方から、TWIGGY.3Fにオーガニックカフェ「TWIGGY.café」をオープン。サロンは100%自然電力(太陽光、風力、水力)に変え、屋上では野菜やハーブも育てている。ナチュラルな中に革新的な要素を加えることをテーマとし、一人ひとりの個性に応じた美容、健康、ファッションをヘアスタイルとともに提案している。



Photography by ©︎ TWIGGY
Text by Misuzu Yamagishi

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