「福寿 純米吟醸」720ml 1,600円(税抜) 

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酒造りの誇りを胸に。世界が認める日本酒・蔵元選

2020.3.25

11.ノーベル賞公式行事に供される「福寿」十三代目安福武之助の地元への愛と世界へのまなざし

「福寿 純米吟醸」720ml 1,600円(税抜)

灘といえば、日本を代表する酒どころ。灘は五郷から成り、そのうちのひとつ、御影郷にあるのが「福寿」(ふくじゅ)醸造元 神戸酒心館である。御影郷には8つの蔵元があり、週末などには蔵巡りを楽しむ人でにぎわう。大阪や神戸中心部から足を延ばしやすく、気軽に楽しめることが浸透しているのを感じる。

 

神戸酒心館の酒造りの特徴は、全量地元兵庫県産米を原料とし、六甲の山河からの宮水を仕込水として、麹は全て手作りという地元へのこだわりだ。そして当代十三代目の安福武之助が2003年から取組んだのは、大吟醸や純米吟醸などの生産比率を上げ、杜氏を置かず、社員によるという酒造りだ。海外への輸出もこの時から力を入れるようになる。その成果は思わぬところで実を結んだ。ノーベル賞授賞式の公式行事に供される日本酒として、「福寿 純米吟醸」のブルーのボトルがテーブルを飾っている写真を見た人も多いだろう。「福寿」の名を一躍世界へ知らしめす機会となった。2019年、旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞された際の公式行事に供されたのも、記憶に新しい。

 

阪神淡路大震災が、大きなターニングポイントとなっていることも忘れてはならない。神戸酒心館は、元は福寿酒造という社名であり、宝暦元(1751)年にさかのぼる歴史のある蔵元だった。平成7(1995)年の阪神淡路大震災により、5つあった木造蔵は全壊し、震災から2か月間は何もすることができなかったという。厳しい時を過ごしたが、従業員をひとりとして失うことがなかったことが希望となった。震災から2年後の平成9(1997)年12月、福寿酒造と豊澤酒造は力を合わせ、神戸酒心館を設立。試飲や販売、イベントホール、料亭まで備え、酒蔵だけに留まらない、地域の文化発信基地を目指したのだった。

「福寿 大吟醸」720ml 3,200円(税抜)  「福寿 大吟醸」720ml 3,200円(税抜) 

「福寿 大吟醸」720ml 3,200円(税抜)

日本酒の魅力を国内外に広く発信すると共に「地産地消」への貢献が形になったのが六甲の里山をイメージした蔵の料亭「さかばやし」だ。ここでは蔵でしか味わえない原酒と地元産の旬菜、こだわりの自家製豆富や蕎麦を楽しめる。蔵直売所「東明蔵」では、お酒の他、なかなか手に入らない全国の豊富な酒肴や珍味、調味料など、おいしさにこだわった食品の数々に目を奪われる。

 

当代十三代目の安福武之助は日本酒の国際化に熱心に取組んでいる。ウェブサイトは16ヶ国語を擁し、「VISIT US」(訪問ください)というページがあり、海外からの訪問者にも広く対応するという力の入れようだ。蔵の見学も受け入れており、日本酒の説明や製造工程などをわかりやすくまとめた多言語リーフレットもあり、インバウンドの観光客にも好評だ。地元へのこだわりと世界へのまなざし。その両方があってこそ、未来があることを実践している蔵である。

「歴史や文化があるからこそ、挑戦できる」と語る十三代目の安福武之助。 「歴史や文化があるからこそ、挑戦できる」と語る十三代目の安福武之助。

「歴史や文化があるからこそ、挑戦できる」と語る十三代目の安福武之助。


平出淑恵セレクト 「福寿」おすすめの2本

福寿 純米吟醸

ノーベル賞の公式行事で供される日本酒として有名。「熟した桃のような、新鮮なフルーツの香りと美しいキレ。米の旨みも十分なのに、白ワインのように澄んでいます。カッテージチーズ、ドライフルーツと合わせてみたい1本です」。

種類:純米吟醸酒
原料米:兵庫県産米
精米歩合:60%
日本酒度:+2
720ml  1,600円(税抜)

 

福寿 大吟醸

香りのみずみずしさは、桃や梨などを思わせる大吟醸。「口当たりはスムーズで、フルーティな香りが持続して美しい。甲殻類、牡蠣などを合わせてみたいですね」。

種類:大吟醸酒
原料米:兵庫県産山田錦100%
精米歩合:50%
日本酒度:+4

720ml 3,200円(税抜)

 

◆福寿 株式会社神戸酒心館

兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-8-17

078-841-1121

 

平出淑恵 Toshie Hiraide

1962年生まれ。日本酒の国際化からインバウンドの地方誘客を目指す株式会社コーポ幸 代表取締役。酒サムライコーディネーター。IWCアンバサダー。昇龍道大使(中部9県のインバウンドアンバサダー)

 

Premium X 酒造りの誇りを胸に。世界が認める日本酒・蔵元選

日本酒の誇りを取り戻し、日本酒文化を日本国内のみならず、広く世界に伝えていくために、若手の蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」が2006年から始められた活動「酒サムライ」。Sake から観光立国をという夢を実現すべく活動する酒サムライ コーディネーター 平出淑恵が選ぶ、日本酒好きなら一度は訪れるべき個性豊かな酒蔵と、そこで味わいたい日本酒を紹介していく。

 

(敬称略)

Photography by Haruko Amagata

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