「播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」720ml 3,500円(税抜)

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酒造りの誇りを胸に。世界が認める日本酒・蔵元選

2020.3.11

7. 伊勢志摩サミット採用の日本酒 ほまれ酒造四代目 唐橋裕幸のうれし涙の理由

「播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」720ml 3,500円(税抜)

福島県は日本でも有数の酒どころである。県内には60軒以上の酒蔵が存在するそうだが、その半数が会津地方にあるという。自然が豊かで、良質な水と米があり、雪が多いというのも酒造りには好条件だ。降雪がチリやホコリを取り除き、醸造中の雑菌の繁殖を防ぐことも期待できる。酒どころの条件が揃った地に、「会津ほまれ」の蔵元、ほまれ酒造はある。

創業家の唐橋家は元来、米問屋から味噌・麹製造業から酒造業を目指し、大正7(1918)年、福島県喜多方市に創業。次第に事業は拡大し、戦後の昭和24(1949)年、ほまれ酒造株式会社となった。代表銘柄「会津ほまれ」は、会津の名を日本中に広めるべく名づけられたという。「ほまれ」と、ひらがなのネーミングは当時でもめずらしかったそうだ。当代の唐橋裕幸で四代目を数えるほまれ酒造は、喜多方では3番目に若い酒蔵だが、酒造りには、飽くなき探求心で挑む姿勢が頼もしい。

「純米吟醸 からはし 山田錦」720ml 1500円(税抜) 「純米吟醸 からはし 山田錦」720ml 1500円(税抜)

「純米吟醸 からはし 山田錦」720ml 1500円(税抜)

会津ほまれに使用される水は、喜多方の北端にそびえる飯豊山からの伏流水だ。超軟質で口当たりがやさしく、甘みも豊かなその水は、平成の名水百選にも選ばれている。酒米は、夢の香、五百万石、華吹雪など地元産を中心に、兵庫県産の山田錦、岡山県産の雄町など、それぞれの酒米の特徴と、どんな酒を目指すのかによって使い分ける。会津ほまれの酒造りは、水と米へのこだわりだけではない。長年の酒造りで培ってきた技と感性に、最新技術を用いた客観的なアプローチを加味して、はじめて完成する。そして再現性にもこだわっている。「イメージ通りに仕上がったとき、はじめて造ったと言えます。それをやり続ける再現性があって、質の向上が果たせるのです」と唐橋は語る。思い描いた理想の酒にたどり着くまでの道のりは、長く、険しいものだ。

 

2018年、マカオのカジノ、ウィンパレスでの出来事を忘れることはできない。世界最大規模のワインコンペティションIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)Sake部門の歴代チャンピオンを招き、大々的な試飲会などを開催、総料理長による特別メニューでのサケディナーという大イベントでのことだった。2015年のチャンピオンサケの醸造元として、ほまれ酒造の社長室長取締役で、四代目の妻・唐橋美由紀がスピーチをした。「夫は震災後、安心安全に注力したが、それだけでは市場には受け入れてもらえない。絶対的に美味しい酒を造らなければ、と言っていました。そして昨年のロンドンでチャンピオンサケ授賞のとき、私は夫の涙を初めて見たのです」と。

 

2011年の東日本大震災以降、福島県である会津にも厳しい目が向けられたのはご存じの通りだ。私は、男泣きした唐橋の心中を想った。これこそが、酒造りに精進した事で酒蔵が成し遂げた、震災後の日本からの、もっともポジティブな発信のように思われた。そしてさらなる喜びが待っていた。2015年のIWCチャンピオン受賞酒「会津ほまれ 播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」が、2016年の伊勢志摩サミットで各国首脳へのお土産に採用されたのだ。唐橋とともに働く蔵人たちや、福島県の人たち、そして私の心に灯りをともしてくれたこと、勇気づけてくれたことを、記憶にとどめておきたい。

 

(平出淑恵 談)


五代目唐橋裕幸 五代目唐橋裕幸

四代目唐橋裕幸は、日本酒ツーリズムにも積極的。蔵に隣接する「雲嶺庵」は1300坪の広大な日本庭園。10種類以上の自慢の酒が庭を眺めながら試飲できる。蔵見学も常時行っており、ガイド付きの見学もある(要確認)。

平出淑恵セレクト 「会津ほまれ」おすすめの2本

播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒
果実を思わせるような華やかでフレッシュな香りが特徴。「すっきりとした辛口ですが、さわやかで、上品な甘み、キレのある味わいです」。
種類:純米大吟醸酒
原料米:播州産 山田錦
精米歩合:39%
日本酒度:+1
720ml  3,500円(税抜)

 

純米吟醸 からはし 山田錦
瓶火入れ、出荷直前までマイナス5℃での冷蔵貯蔵など、徹底した品質管理が特徴。「南国のフルーツを想起させる香りと、ふくよかさとさわやかさが共存。キレ味もよく、中華料理に合わせてみては?」
種類:純米吟醸酒
原料米:兵庫産 山田錦
精米歩合:60%
日本酒度:+1
720ml  1,500円(税抜)

◆会津ほまれ ほまれ酒造株式会社
福島県喜多方市松山町村松字常盤町2706
0241-22-5151

平出淑恵 Toshie Hiraide

1962年生まれ。日本酒の国際化からインバウンドの地方誘客を目指す株式会社コーポ幸 代表取締役。酒サムライコーディネーター。IWCアンバサダー。昇龍道大使(中部・北陸9県のインバウンドアンバサダー)

 

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日本酒の誇りを取り戻し、日本酒文化を日本国内のみならず、広く世界に伝えていくために、若手の蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」が2006年から始められた活動「酒サムライ」。Sake から観光立国をという夢を実現すべく活動する酒サムライ コーディネーター 平出淑恵が選ぶ、日本酒好きなら一度は訪れるべき個性豊かな酒蔵と、そこで味わいたい日本酒を紹介していく。

 

 

(敬称略)

Photography by Haruko Amagata

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