Stories

Premium X

アートか工芸か。日本のハイジュエリー

2019.10.7

3. 和魂をハイジュエリーに込める
マニュファクチャーブランド「OKURADO」

ネックレス「桜花」(オウカ)。開花した花姿は堂々と正面を向き、静かに花弁を開こうとしている蕾、しなやかに湾曲する葉。生命が宿るような表現は、優れた職人芸の賜物だ。
ネックレス。K18ホワイトゴールド・K18イエローゴールド・ダイヤモンド・イエローダイヤモンド・ツァボライト・漆。40,000,000円 税別

ダイナミックなデザインと技巧が特徴だと言われる、欧米のハイジュエリー。翻って、日本のジュエリーには、「繊細」な感性を宿すデザインと、磨き上げられた「緻密さ」という技がある。アートとも、工芸とも評される日本のハイジュエリーが生み出す、心が透過されていくようなジュエリーの輝き。Premium Japanが厳選したブランドを紹介していく。

ハイジュエリーを手がけるマニュファクチャーブランドへ

日本では江戸期に、髪飾り、帯留が庶民の間で大流行し、日本独自の装身具文化が生まれた。明治に上陸した西洋的なジュエリー、つまりネックレス、リング、イヤリングといったアイテムは、長年ヨーロッパを手本にして作られてきた。その流れに変化が現れたのは、2000年以降と最近のことである。経済産業省が後ろ盾になった「クール・ジャパン」の活動に、多くの日本の企業が動き出したこともきっかけのひとつだ。

 

2009年ジュエリーブランド「OKURADO」(大倉堂)は、1969年創業のジュエリー工房、アトリエ・マイエドールが製作したオリジナルのジュエリーに代表 大倉仁さんの名字を付けてスタートした。ブランドを立ち上げるまでの工房は、一流宝石店の依頼により数々のハイジュエリーを作ってきた。豊富な実績があるが、それらはあくまでも他社のための商品だった。

縦約7cm、横約5cmの堂々とした「椿」のブローチ。 縦約7cm、横約5cmの堂々とした「椿」のブローチ。

縦約7cm、横約5cmの堂々とした「椿」のブローチ。貴重な真っ白なサンゴを、椿の形に研磨し、丁寧にダイヤモンドとツァボライトをセッティングしている。大きな花に寄り添う小さな蕾も作り手のこだわり。
ブローチ。K18ホワイトゴールド・K18イエローゴールド・イエローダイヤモンド・サンゴ・ダイヤモンド・ツァボライト。10,000,000円 税別


初夏に一斉に咲き誇る日本の花、あじさいをテーマにしたジュエリー。 初夏に一斉に咲き誇る日本の花、あじさいをテーマにしたジュエリー。

初夏に一斉に咲き誇る日本の花、あじさいをテーマにしたジュエリー。デザイン、カラーストーンが異なるいろいろなバリエーションを展開する。
「あぢさゐ」リング。写真左 K18ホワイトゴールド・ダイヤモンド・ブルーサファイア・ピンクサファイア。 1,080,000円
写真右 K18イエローゴールド・ダイヤモンド・ピンクサファイア。1,060,000円 ともに税別

ダイヤモンドが連なるアームから爪までの流れが美しいリング。 ダイヤモンドが連なるアームから爪までの流れが美しいリング。

ダイヤモンドが連なるアームから爪までの流れが美しいリング。
「クラシック」リング。K18イエローゴールド・スペサルティンガーネット(マンダリンガーネット)・ダイヤモンド。2,600,000円 税別

「OKURADO」はこれまで培ってきた40年の経験を生かし、デザイン・オリジナリティにこだわった作品を発表した。日本の四季折々の風景をカメラのファインダーでとらえるように切り取り、デザインとして昇華させた。さらに特筆すべき点はこれまでジュエリーの素材として思いつきもしなかった漆を取り入れたところだ。桜の花と蕾がデコルテを覆うように配置されたネックレスの朱色の部分は漆を塗り重ねて表現している。桜、鮮やかな赤、ダイヤモンドの白は気高く、日本の春を象徴している。それだけでは終わらず、端の3つの桜の装飾は取り外してブローチとしても着用できる。こうした工夫がちょっと欲張りな女性の心をつかむのだ。あじさい、椿、ここで取り上げているジュエリーだけでも、季節ごとに変わる日本庭園が目の前に浮かんでくる。

 

(敬称略)

OKURADO
ジュエリーコンシェルジュ大倉

https://www.jcokura.jp/

Text by Ikuko Watanabe (INK inc.)
Photography by Kadi Kim

Premium X

ページの先頭へ