ロールキャベツ鍋ロールキャベツ鍋

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細川亜衣 四季の鍋

2023.3.23

細川亜衣 春の鍋 「小鍋仕立てのロールキャベツ鍋」

2月下旬から5月中旬にかけて出回る春キャベツは、冬の時期に出回る寒玉キャベツに比べて、葉は柔らかく、芯まで美味しくいただけるのが特徴。この春キャベツを使って、ひとり分を小鍋仕立てにしたロールキャベツ鍋を紹介いただく。もちろん大きな鍋でたくさん煮込んでも間違いなく美味しい。

 

旬の野菜が運んでくれる、春の味わいを満喫する

 

一般的なロールキャベツは、挽き肉や刻んだ野菜をキャベツで巻いて、スープで煮込むが、このロールキャベツ鍋は少し異なる。
細川亜衣に聞くと、「イタリア北部のピエモンテ州の郷土料理に『カプネッ』という、ロールキャベツがあります。挽いた肉、ゆでたお米、香味野菜、チーズなどをゆでたちりめんキャベツで巻いて、煮込むのではなくオーブンで焼いて仕上げます。中に入れるゆでたお米の食感が軽やかで、土鍋で作ると日本の食卓にぴったりですよ」。


キャベツの茹で汁まで使うことで、より優しい味わいが生まれる。 キャベツの茹で汁まで使うことで、より優しい味わいが生まれる。

キャベツのゆで汁まで使うことで、より優しい味わいが生まれる。


ロールキャベツの美味しさはもちろん、その優しい味わいのスープも味わってほしい。春キャベツのゆで汁を使ってロールキャベツを煮込むことで、全ての食材から染み出た旨味がスープには溶け込んでいるから、スープまでしっかり美味しくなる。

 

また、イタリアではお米をゆでて使っているが、日本では冷やごはんを使うと気軽に作ることができる。ごはんは冷めたもの、冷凍いずれもさっと洗ってぬめりを取ってから使うとよい。


具材にはごはんが入れてある。 具材にはごはんが入れてある。

具材にごはんを入れることで食感が変わる。

細川家の冷凍庫には、煮込み料理用にトマトがいつも冷凍してあると言う。 細川家の冷凍庫には、煮込み料理用にトマトがいつも冷凍してあると言う。

細川家の冷凍庫には、煮込み料理用にトマトがいつも冷凍してあると言う。

煮込みに冷凍トマトを使うことで、スープに旨味が増して、とろっとした仕上がりになる。トマトは完熟のものを丸のまま冷凍庫に入れておくだけでよい。冷凍した完熟トマトは生で食べるには不向きだが、煮込み料理には最適なので試してほしい。

 

旬の野菜の味わいが優しく溶け合うロールキャベツ鍋は、ひと足早く春が訪れたように優しい味わいで、体はぽかぽかと温かくなって、旨味が体中に染み渡っていく。

 

ロールキャベツ鍋一人分 ロールキャベツ鍋一人分

ロールキャベツ鍋(4人分)

 

ロールキャベツ
キャベツの葉  大4枚
ひき肉  200g
冷やごはん  100g
のびるまたは玉ねぎ、ねぎ  適量
レモンの皮  適量
ハーブ(ローズマリー、イタリアンパセリ)  適量

オリーブ油  小さじ4

 

つけあわせ
冷凍トマト
からし菜
オリーブ油  小さじ2
仕上げ
のびるまたは小ねぎの油漬け  小さじ4

 

土鍋にキャベツの葉がひたるくらいの水を入れて沸かす。
塩を入れ、キャベツの葉を入れ、ふたをして蒸しゆでにする。
色よくなり、ほどよく火が通ったら取り出す。
蒸し汁は鍋に数センチほど残しておく。
キャベツの芯の部分はそぎ、のびる、レモンの皮、ハーブもそれぞれ適当に刻む。
冷やごはんは水で洗ってぬめりを取り、水気を切る。
ボウルにひき肉、塩、オリーブ油を入れてよく混ぜる。
キャベツの葉を広げ、等分にした詰め物をのせて俵型にしっかりと包む。
のびるをひもがわりにして縛る。
土鍋に閉じ口を下にして並べ、まわりに冷凍トマトとからし菜を入れる。
オリーブ油を回しかけ、粗塩をふる。
ふたをして蒸し煮にし、柔らかく煮えたら火を止め、汁の味をみて塩味をととのえる。
温めた器にロールキャベツを盛り、汁をかける。
トマトとからし菜を添え、のびるの油漬けをかける。

のびる のびる

*のびるまたは小ねぎの油漬けはそれぞれ小口切りにして瓶に入れ、米油をかぶるくらい注いでふたをし、冷蔵保存する。できたての新鮮な香りも、時間をおき熟成した感じもそれぞれに美味しい。様々な料理に活用できる。
*冷凍トマトは完熟トマトを丸のまま冷凍保存したもの。水で洗うと簡単に皮が剥がれ、煮込むととろりとした食感になり、旨味が濃く出る。
*ハーブに香菜、油をごま油にするとご飯のおかずにも合う。

細川亜衣 Ai Hosokawa

 

料理家。熊本・taishojiにて料理教室や料理会などを主宰。「トースト」(BON出版)、『料理集 定番』(アノニマ・スタジオ)、「旅と料理」(cccメディアハウス)、「taishoji cookbook 1.2」(晶文社)など多数を発売中。毎月、オンラインマガジン『エプロンとレシピ』(grembiuli&ricette)を更新中。

 

Photography by Ai Hosokawa

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