細川亜衣さんの料理はいつも色目が美しい。それは鍋料理でも同じ。今回は白い食材を使った「白鍋」を紹介してくれた。そしてこの白鍋は細川さんの旅から生まれたものと知った。
「韓国の旅で赤い白菜キムチのほか、白い白菜キムチに出会いました。白いキムチはおだやかな発酵の香りがして、日本の白菜漬けの古漬けと似た印象を受けました。そして、台湾の旅で何度も通った白菜漬けの鍋を思いだし、冬らしい白い野菜をいろいろと取り合わせて韓国と台湾の旅を重ね合わせて鍋にしてみました」。
白い野菜は細切りや薄切りにしておく。
白菜漬けは汁ごと入れるのがポイント。
「白菜漬けの汁がいいだしになります。野菜はどんなものでも合いますので、いろいろな野菜を取り混ぜてみるとそれぞれいい味が出ます。肉は豚肉に限らず、どんなものでも。さつまいもでんぷんでできた韓国春雨は独特のもっちり、つるりとした食感がおいしいので、手に入ればぜひ試してみてください」。
いつもの鍋とは一味違う味わいをぜひ味わって。
白鍋(4人分)
汁
白菜古漬け 1/4株
唐辛子(赤、緑) 各1本
昆布といりこのだし 1リットル
具
好みの白い野菜 適量
(今回は豆もやし、れんこん、大根、かぶ、白菜、じゃがいも、ねぎ、青パパイヤなど)
豚しゃぶしゃぶ肉(好みの部位) 適量
よせとうふ 1丁
青菜 適量
韓国春雨 100g
焙煎ごま油
粗塩
白菜古漬けは適当に刻み、器に盛る。
根元のかたいところは取って鍋に入れる。
唐辛子(赤、緑)を丸のまま入れ、昆布といりこのだしと濾した白菜漬けの汁を加える。
鍋を強火にかけて汁を沸かし、塩味をととのえる。
豆もやしは洗って冷水にひたしておき、その他の白い野菜は細切りや薄切りにする。
汁に加えて煮立て、食卓へ運ぶ。
好みで肉、とうふ、青菜を適宜入れながらさっと煮る。
めいめいの器に焙煎ごま油と粗塩を入れたところに取り、薬味として刻んだ白菜漬けを散らす。
一通り食べたところで水にひたして柔らかくした韓国春雨を煮て食べる。
*白菜漬けは塩、唐辛子などで漬け、しっかりと酸味が出てきたものを使う。手軽に作りたい場合は刻んだ白菜に3パーセントの塩をして軽く揉み、密閉袋で空気を抜いて常温で保存する。塩がこなれてほどよい酸味が出てきたら使う。
Photography by Ai Hosokawa
細川亜衣 Ai Hosokawa
料理家。熊本・taishojiにて料理教室や料理会などを主宰。「トースト」(BON出版)、『料理集 定番』(アノニマ・スタジオ)、「旅と料理」(cccメディアハウス)、「taishoji cookbook 1.2」(晶文社)など多数を発売中。
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