細川亜衣の四季の鍋「焼きなす鍋」細川亜衣の四季の鍋「焼きなす鍋」

Stories

Premium X

細川亜衣 四季の鍋

2023.8.16

細川亜衣さんのレシピ 夏の鍋「焼きなす鍋」











新鮮な食材の美味しさを余すところなく食すなら、やはり旬にいただきたいもの。熊本で暮らすようになって料理家・細川亜衣さんは、基本的には旬の食材はその旬にのみいただく、そんな暮らしをしていると聞く。都会暮らしでは食材の旬がいつなのかわからない日々を送っている者としては、なんとも羨ましい。

 

暑い夏にこそ食べたい!なすの美味しさをとことん味わう










なすは黒くなるほどにしっかり火で炙っていくのがコツ。 なすは黒くなるほどにしっかり火で炙っていくのがコツ。

なすは黒くなるほどにしっかり火で炙っていくのがコツ。









7月になると、細川家の食卓に頻繁に並ぶのが、なす。その料理法はいろいろあると言うが、暑さが厳しくなると食べたくなるのが今回紹介いただいた「焼きなす鍋」。鍋料理としては聞き慣れないレシピであるが、その調理法を見ると俄然食欲がわいてくる。

 

「コツは、やはりなすの焼き方。焼き網の上に乗せて、強火でなすが黒くなるまでしっかり焼くことで、なすの甘味が引き出されます。そこにしょうがやレモングラス、梅酢などの薬味を使うことでさっぱりとした味わいになって、暑さに疲れた体を癒してくれます」と細川さん。なすの代わりにトマトを使うのも美味しいとアドバイスもくれた。














焼きなす鍋(4人分)

 

なす  大4本

昆布といりこのだし  1リットル
酒  大さじ2
レモングラス  1本
発酵しょうがの汁  1/2カップ
*発酵しょうががない場合は、しょうがの薄切り2〜3枚でも可
干し梅干し  4個

つくね
鶏ひき肉  200g
塩麹  小さじ2
しょうが  1かけ

たれ
なす  100g
赤玉ねぎ  50g
甘長唐辛子またはピーマン  50g
梅酢   20g
昆布といりこのだし  50g
ごま油  少々
ハーブ
(バジリコ、ミント、香菜、ディルなど)

その他
ごま  大さじ2
緑の葉もの(サニーレタス、えごまの葉、バジリコなど)

 

なすを焼く。
なすは網にのせ、強火でで転がしながら全体が黒くなるまで焼く。
なるべく焼き汁をこぼさないようにしながら焼き、焼き足りず半生の部分を残したり、白くなるまで焼きすぎないように注意する。
冷めたら水で洗わないように皮をむき、へたをのぞく。

 

汁を用意する。
卓上に出せる鍋に昆布といりこのだし、酒、干し梅干し、レモングラス、発酵しょうがの汁を入れて中弱火で煮る。

 

つくねを作る。
鶏ひき肉は塩麹としょうがのみじん切りを加えてよく混ぜる。
汁が煮立ったらスプーンで肉だねを一口大に落とし、塩味をととのえる。
つくねが煮えたら火を止め、焼きなすを大ぶりに切って加え、発酵しょうがを中心に盛り、いったごまをたっぷりとふる。






つくね つくね





たれを作る。
なすと赤玉ねぎは粗みじん切りにし、それぞれ水にさらす。
なすは何度か水をかえ、水の色が濁らなくなるまでさらす。
ざるに上げて、水気を切る。
甘長唐辛子の粗みじん切り、梅酢、昆布といりこのだし、ごま油を加えて混ぜる。
器に盛り、ハーブの葉を散らす。











卓上で鍋を温めながら汁ごとめいめいの鉢に取り、たれをかける。
合間に好みで緑の葉ものをさっと煮る。

 

*干し梅干し:梅干しをざるに広げてかりかりになるまで干したもの。果肉のジューシーさはなくなるが、甘みが増し、塩辛くなくなる。汁や鍋に入れると酸味と旨味が加わる。煮えた梅干しはほとんど塩気も抜けてしまうが、そのまま食べるとよい。
*発酵しょうが:千切りの新しょうがを3%塩水にひたして白濁するまで発酵させたもの。汁の味をみて酸味が出ていたら冷蔵保存する。日持ちがするのでたっぷり作っていろいろな料理に使うとよい。しょうがの香りにほんのり旨味が加わるので、そのまま食べてもおいしいが、鍋、炒めもの、あえものなどの隠し味に活躍する。











*たれ:この鍋以外にも、冷たい麺やとうふなどにもよく合う。だしを入れておくことで、あまり濃い味にせずとも鍋と合わせた時に味が薄まらずにいただける。
*つくね:卵や片栗粉などのつなぎを入れずに作ると肉肉しくておいしい。崩れることもなく十分にかたまる。豚ひき肉、あるいは鶏と豚を混ぜるとよりこくが出る。

 

 

 

細川亜衣さんのレシピ 春の鍋「小鍋仕立てのロールキャベツ鍋」 

 

細川亜衣さんのレシピ 冬の鍋「赤ワイン鍋」

 

細川亜衣さんのレシピ 秋の鍋「れんこん鍋」

 

細川亜衣さんのレシピ 夏の鍋 「赤鍋」

 

細川亜衣 Ai Hosokawa

 

料理家。熊本・taishojiにて料理教室や料理会などを主宰。「トースト」(BON出版)、『料理集 定番』(アノニマ・スタジオ)、「旅と料理」(cccメディアハウス)、「taishoji cookbook 1.2」(晶文社)など多数を発売中。毎月、オンラインマガジン『エプロンとレシピ』(grembiuli&ricette)を更新中。

 

Photography by Ai Hosokawa

最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。

Premium X

ページの先頭へ

最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。