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カーライフその先の未来へ

2024.2.26

おしゃれな“ミニ”の中のプレミアムな一台




依然と人気が高いSUV車であるが、何を選ぶかが問題だ

 

SUVはとても便利な乗り物だと思う。ハッチバック風のボディに荷物がたくさん積めるからだ。セダンだとトランクルーム分クルマの長さが伸びてしまうが、そうはならない。それに乗車人数も柔軟に対応する。2列シートの5名で十分だが、3列シートで+2名とか増やすことができる車種もある。なかなか便利だ。
車高がセダンより高いのも利点だろう。目線が高くなるので視界が広がる。走行中も先が見える分安心。そしてその分地上高が生まれることで、ちょっとの凸凹道や水溜りも気にならない。最近はゲリラ豪雨もあるから、水溜りも馬鹿にできない。

なんて利点からSUV人気が高まり、各メーカーもラインナップを増やしている。それこそコンパクトサイズからラージサイズと、あらゆるニーズに対応できるように。アメリカでは大型SUVをホテルの送迎用に使っているくらい。活用範囲はかなり広い。
となると、選ぶのも難しくなってきたというのが最近の話題。実用性を鑑みるとサイズは大き過ぎたくないし、それでもしっかり荷物は積みたい。それに乗り心地も悪くちゃダメだし、一人で走らせる時はそれなりに運転も楽しませてくれなくちゃ、と思う。

 

フツーじゃないから面白い、いい塩梅のSUV

 

先日乗った新型ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマンはいろいろ考えると、なかなかいい塩梅のSUVだと思った。サイズは大き過ぎず小さ過ぎず、キャビンは広く人も荷物もしっかり積めて、それでいてスポーティな走りも楽しめる。“ミニ”ブランドのおしゃれなイメージもいいし、“ジョンクーパーワークス”というスペシャルなオマケも付いている。フツーじゃおもしろくないからね。こういうところにプレミアムさを感じる。






最高出力は316馬力、最大トルクは400Nmを発揮。ALL4による全輪駆動と7速DCT(先代は8速AT)が組み合わされ、最高速度は250km/h。 最高出力は316馬力、最大トルクは400Nmを発揮。ALL4による全輪駆動と7速DCT(先代は8速AT)が組み合わされ、最高速度は250km/h。

最高出力は316馬力、最大トルクは400Nmを発揮。ALL4(全輪駆動)と7速DCTが組み合わされ、最高速度は250km/h。












ベースになるのはミニカントリーマンというクルマ。昨年11月に発表された。馴染みのない気がするのは当然だろう。以前はミニクロスオーバーの名前で売られていた。本来はカントリーマンが使われるはずだったが、日本は商標登録の問題でクロスオーバーを名乗っていたのだ。よって今回のモデルチェンジが3代目。見た目の印象は大きく変えずに新鮮さを強調する。
デザイン変更のポイントは丸型だったヘッドライトが角ばり、その輪郭をLEDがなぞるところや、八角形のグリルの形状だと思う。ミニファミリーであることをイメージさせながら新しさをもたらす。サイドビューではリアピラーのところにカバーが付いて、そこにモデル名のエンブレムが取り付けられるようになった。ひとつのデザインアクセントといったところ。評判が良ければ今後アイコンになるかもしれない。








スポーティーなエンジン音を楽しめる室内。 スポーティーなエンジン音を楽しめる室内。

スポーティーなエンジン音を楽しめる室内。








驚いたのはインテリアデザインで、これは予想以上にデジタル化された。ステアリングホイール前のメーターは廃止され、ヘッドアップディスプレイのみとなる。もちろん、伝統の大型センターディスプレイはそのままだが、最先端の有機ELテクノロジーを採用することで、表示されるバリエーションが増した。モードを選べばクラシックなアナログ風表示にすることもできる。実用面ではAR機能付きナビが新しい。ポイント毎に実写が映し出され、その中に矢印が描かれる。これなら曲がる角を間違えることはなさそうだ。

 

では走りについてだが、その前にこのクルマは“ジョンクーパーワークス(JCW)”であることを確認したい。これは伝説のレーサー、ジョン・クーパー氏の名前からとったもので、ハイパフォーマンスモデルであることを意味する。そもそもミニをミニクーパーと呼ぶ傾向が強いが、それはミニをクーパー氏がチューニングしたモデルを指していたのだ。











ミニカントリーマン ミニカントリーマン

先代(F60)よりボディサイズを拡大し、より広い室内空間と荷室となっている。






ジョンクーパーワークス の国内価格は516万円〜。 ジョンクーパーワークス の国内価格は516万円〜。

ジョンクーパーワークス カントリーマンの国内価格は667万円〜。







よってこのクルマのパフォーマンスは高い。2リッター直4ターボは最高出力233kW、最大トルク400Nmを発揮する。ギアボックスは7速ダブルクラッチ式で、駆動方式は4WD。そしてサスペンションは専用にチューニングされ、コーナリングでのスタビリティを上げている。連続する峠道でも姿勢を崩すことなく、スイスイと曲がるから運転が楽しい。とはいえ、それで乗り心地が悪くなることはない。当然スタンダードモデルよりは硬くなるが、普段乗りの許容範囲に入る。その辺のサジ加減は絶妙だ。

 

試乗車は黒と赤の2トーンをうまくあしらったものだった。このカラーコンビネーションはジョンクーパーワークス特有なので、気に入った方はこのままお買い求めとなる。差し色となる赤がレーシーな雰囲気をプンプン漂わす。まさに機動力の高い大人のSUVといった感じだ。

九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2023-2024日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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