WABARA(わばら)、それは欧米で作出された華やかなばらにはない、和らぎの表情と、しなやかな強さをあわせ持つばら。滋賀県守山市のばら農園、ローズファームケイジで慈しみながら育てられているWABARAの魅力、そして自然と共にあろうとするローズファームケイジの取り組みを12回に渡って紹介する。


畑のなかを行く子供たちは、啓司も健一も通った地元の小学生たちだ。啓司の話に耳を傾け、見学だけでなく、観察まで行い、ばら農園で農業に触れるのだ。農作業を見学するだけでなく、畑の中に足を踏み入れ、農業に、ばらに、直接触れる機会は彼らにとっても貴重な経験となる。
ローズファームケイジの畑を、黄色い学帽を被った小学生たちが歩いている。農園の近く、啓司や健一も通った小津小学校の6年生たちのための課外授業、花育である。ばらがどのようにして育まれ、消費者の手元に届くのか。畑や温室、選花場などを見学するだけでなく、ばらを観察し、わかること感じることをレポートする。WABARAを教材に、琵琶湖の生態系まで説明し、自然を大切にする繊細な心を育むという取組みだ。
花を飾るという行為は、その習慣のない人にとっては遠い出来事でしかない。逆に幼少期に花を飾る習慣のある家庭で育った人には、花に興味がある傾向にあることがわかっている。それは単に花の購買促進ということだけでなく、季節の機微を感じたり、感受性を高めることにつながるはずだ。
また反面、自然物の持つ生態(棘や環境など)を知ることは、ただ単純にきれい、というだけでない花や、自然の側面を考える機会にもなるだろう。
花育を通じ、滋賀・守山の農業や地域振興についても考えてもらいたい、そして郷土への愛を感じてもらえたらという願いも込められている。地元の小学生のキャリア教育という側面も持っていることも重要なポイントだ。花育は、啓司と健一のばら作りの情熱を伝え、地域と農園をつなぐ大切なイベントとなっている。
(敬称略)
ローズファームケイジ
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滋賀から世界へ。WABARA(和ばら)…
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