滋賀県守山市のばら農園「ローズファームケイジ」のばら

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滋賀から世界へ。WABARA(和ばら)の世界

2019.5.14

3. 「自分の思い描くばらを作りたい」。ばら作家 國枝啓司の軌跡

WABARA(わばら)、それは欧米で作出された華やかなばらにはない、和らぎの表情と、しなやかな強さをあわせ持つばら。滋賀県守山市のばら農園、ローズファームケイジで慈しみながら育てられているWABARAの魅力、そして自然と共にあろうとするローズファームケイジの取り組みを12回に渡って紹介する。

画像左:ばら作家の國枝啓司。画像右上:「プリンセスマサコ」画像右下:「美咲」 画像左:ばら作家の國枝啓司。画像右上:「プリンセスマサコ」画像右下:「美咲」

写真左から時計回りに、自身の思い描くばらを作るために手をかけるのを惜しまない。自分の好きなばらしか作っていないから、と言い切る國枝啓司。1981年に皇太子殿下と妃殿下(現天皇皇后両陛下)に献上された「プリンセスマサコ」。「美咲」はWABARAのシグネチャーローズ。


滋賀県のばら農園を営む家に生まれた國枝啓司が、父・栄一の國枝バラ園で働き始め、栽培技術担当として生産に携わるようになったのは1976年のことだった。農園で働くそのかたわら、ヨーロッパでばら作りの技術、思想を学び、育種家としての活動へと広がっていく。そして、いつかは自分の作り出したばらを世界中に広めたいという夢を心に秘めていた。

 

1981年、育種家として名誉ある機会を得た。オリジナル品種「プリンセスマサコ」を浩宮徳仁皇太子殿下、雅子妃殿下(現天皇皇后両陛下)に献上したのだった。

 

そして2003年、ローズファームケイジを設立する。しかし、この頃はまだ和ばらと呼べるものは2、3種類しかなく、それも啓司が趣味で育てる程度のものだったという。育種家としてのキャリアを着々と積みながらも、啓司はばら園を自分の代で終わらせることも考えていた。

 

(敬称略)

國枝啓司 Keiji Kunieda

ばら作家 1956年、滋賀県生まれ。1976年に父である國枝栄一が営む國枝バラ園に就農、栽培技術担当者として生産に従事する。1981年、ヨーロッパ研修にて学んだ思想や技術をもとに育種家としての活動を開始し、皇太子殿下、雅子妃殿下(現天皇皇后両陛下)に献上した「プリンセスマサコ」や神戸元町のシンボルローズをはじめとするオリジナル品種の創造に励む。2003年、ばら園「ローズファームケイジ」を設園。2006年に長男健一を事業パートナーに迎える。10年をかけて慣行栽培から土耕栽培への移行を実現するとともに、オリジナル品種を「WABARA」ブランドとして確立させる。健一に経営を継承した現在は、ばら作家としての活動に専念している。

https://rosefarm-keiji.net/

Photography  ©︎ Rose Farm KEIJI

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