WABARA(わばら)、それは欧米で作出された華やかなばらにはない、和らぎの表情と、しなやかな強さをあわせ持つばら。滋賀県守山市のばら農園、ローズファームケイジで慈しみながら育てられているWABARAの魅力、そして自然と共にあろうとするローズファームケイジの取り組みを12回に渡って紹介する。
摘み取ったままのばらをそっと抱えれば、それだけで麗しいブーケが出来上がる。ばらが少し重たげに、眠たげに、首をかしげているように見える様子は、何とも言えない優しい空気を伝えてくる。
WABARAとは、國枝啓司が作出したオリジナルローズを指す。1981年からばらの育種を始め、「自分のばら」を表現できるようになってきたのが26年後の2007年のこと。それをWABARA(わばら)と名付けたのが始まりである。WABARAのコンセプトは、「生きたばらをつくる」こと。花弁の柔らかさ、たおやかな茎葉、優しい中間色の花色。そして、見た目の繊細さからは想像できないたくましさを持っているのが特徴だ。
「自分のばら」とは、一体どんなものなのだろう。國枝が育種という、新しいばらを作る技術に出会ったのは、約40年前のヨーロッパでのことだった。当初は一般に販売されている切花の品種を掛け合わせていたが、独自の世界観を表現したいと考えたとき、古い品種を掛け合わせるようになっていく。そしてたどり着いた「自分のばら」がWABARAだった。それは、自然に限りなく近い環境で生育されることで、野に咲く草花のように、どのような空間や花種と合わせても調和を乱さないばら。國枝の農園では今日も、芯の強さと優しさをあわせ持つWABARAが咲いている。
(敬称略)
ローズファームケイジ
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滋賀から世界へ。WABARA(和ばら)…
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