滋賀県守山市のばら農園「ローズファームケイジ」のWABARA(わばら)

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滋賀から世界へと発信する。WABARAの世界

2019.5.14

11. すべての営みに価値があるということ。美しく生まれ、命の終わりまで美しい「命の円環」の土地。

WABARA(わばら)、それは欧米で作出された華やかなばらにはない、和らぎの表情と、しなやかな強さをあわせ持つばら。滋賀県守山市のばら農園、ローズファームケイジで慈しみながら育てられているWABARAの魅力、そして自然と共にあろうとするローズファームケイジの取り組みを12回に渡って紹介する。

畑の一角に積まれたWABARA 畑の一角に積まれたWABARA

畑の一角に、コンポストとなったWABARAが積まれている。美しく生まれ、美しく終わる。花を咲かせる時間(切花)、育つ時間(園芸苗)、そして花の余韻を楽しむ時間(ドライフラワー、ローズウォーターなどの加工品など)、すべての営みに価値があり、それを表現するのがWABARAなのだ。


まっすぐに、なんの瑕疵もない姿を見せる切花のばらとは異なり、野に咲く花同様、緩やかにたわんだ茎と柔らかな色を持ち、可憐さとしなやかな強さが、深い趣を喚起してくれるWABARA。優し気な風情の中に強い生命力を秘めていることも、世界的に人気となっている理由のひとつだ。2014年に海外への輸出を開始し、現在では、アメリカ、イギリス、ケニア、コロンビアから世界各地に向け出荷が始まっている。2018年にはフランス・セリクール庭園に定植も果たした。WABARAの魅力が日本のみならず世界へと広がっていく。啓司と健一の夢は、いま着々と実現しつつある。

 

畑の一角にコンポストとなっているばらを見かけた。花の色は褪せ、葉も茎もみずみずしい水分を残していない。ばらは美しく生まれ、美しく終わっていく。啓司の哲学、「生きたばら」を作るとは、ばらの命を育み、送るまで責任を持ってこそのもの。夢はWABARAに託され、世界へと馳せるが、琵琶湖のほとりに咲くふたりが丹精するばらは、夢を抱きながら命を円環させていく。生態系の一部として生まれて終わる。この美学までも世界へ伝えていければ、と思う。

 

(敬称略)

 

 

ローズファームケイジ

https://rosefarm-keiji.net/

Photography  ©︎ Rose Farm KEIJI

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