京都個性的な美術館・福田美術館京都個性的な美術館・福田美術館

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その先の京都へ

2023.9.6

京都でアート三昧。建築・庭・日本画に浸る個性的な美術館3選

Photo by ©️福田美術館













京都にはたくさん観光名所はあるが、ぜひ訪れて欲しい個性的な美術館も数多くある。美術館のコレクションの充実はもちろんのこと、その建築物や庭園などの空間も一見の価値がある美しさ。美術館を通して、京都の街や歴史を体感する、そんな新しい京都の楽しみ方を味わえることだろう。今回はおすすめの美術館を3つご紹介する。

 

 

アートと共に、美しい洋館と庭園を楽しめる
アサヒグループ大山崎山荘美術館(京都府大山崎町)








アサヒグループ大山崎山荘美術館 アサヒグループ大山崎山荘美術館

Photo by ©︎ASAHI GROUP OYAMAZAKI VILLA MUSEUM OF ART







大山崎町・天王山の中腹に佇む、大正から昭和初期に建てられた洋館を利用した美術館が「アサヒグループ大山崎山荘美術館」である。実業家・加賀正太郎によって建築された「大山崎山荘」(登録有形文化財)を本館として、1995年・2012年に建築家・安藤忠雄設計による新館も建設され、美術館の空間もアートである。

加賀はヨーロッパへ渡り、大英博物館やキューガーデンを見学し、日本人初アルプス山脈ユングラフ登頂を果たすなどを経験した人物であり、当時の経験を通して、大山崎山荘と約5,500坪の庭園を設計したとされている。春は桜、初夏には蓮の花など、季節によって大きく印象を変える庭園は四季折々に訪れたい場所だ。

また、本館のテラスにある喫茶室へ上がると、木津川・宇治川・桂川の三つの川の眺めることができ、京都の街並みを見渡せる絶景が広がっている。

 







本館から、建築家安藤忠雄による「夢の箱」(山手館)へ通じる通路。 本館から、建築家安藤忠雄による「夢の箱」(山手館)へ通じる通路。

本館から、建築家安藤忠雄による「夢の箱」(山手館)へ通じる通路。





安藤忠雄が設計した「地中の宝石箱」(地中館)。ここではモネの『睡蓮』の連作を展示。 安藤忠雄が設計した「地中の宝石箱」(地中館)。ここではモネの『睡蓮』の連作を展示。

安藤忠雄が設計した「地中の宝石箱」(地中館)。ここではモネの『睡蓮』の連作を展示。
Photo by ©︎ASAHI GROUP OYAMAZAKI VILLA MUSEUM OF ART

 




2階の喫茶室のテラスからは木津・宇治・桂の三川の雄大な景色が楽しめる。 2階の喫茶室のテラスからは木津・宇治・桂の三川の雄大な景色が楽しめる。

2階の喫茶室のテラスからは木津・宇治・桂の三川の雄大な景色が楽しめる。
Photo by ©︎ASAHI GROUP OYAMAZAKI VILLA MUSEUM OF ART

 





美術館の所蔵品の多くは、朝日麦酒株式会社初代社長である山本爲三郎(やまもとためさぶろう)のコレクションである。本館には河井寬次郎や濱田庄司、バーナード・リーチといった「民藝運動」の作家作品を中心とした陶磁器をはじめ、芹沢銈介(染色家)、黒田辰秋(木工作家)といった民藝運動に関わる代表的な作家の作品が多くあり、新館には印象派の巨匠クロード・モネの代表作『睡蓮』の連作をはじめ、アルベルト・ジャコメッティやイサム・ノグチ、ヘンリー・ムーアによる彫刻といった西洋美術のコレクションが並ぶ。年4回程度の企画展を開催し、企画展ごとに常設展示の展示替えも行っている。

 

 

アサヒグループ大山崎山荘美術館

京都府乙訓郡大山崎町銭原5−3
075-957-3123(総合案内)
開館時間:10時〜17時(最終入館16時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)年末年始。展示替えに伴う臨時休館あり

 

 

 

 

日本の侘び寂びを堪能し、松花堂弁当を食す
八幡市立松花堂庭園・美術館(八幡市)





Photo by ©️松花堂庭園・美術館





国宝「石清水八幡宮」の近くにあり、京都・洛南の名園として知られているのが「八幡市立松花堂庭園・美術館」である。ここは松花堂弁当の由来となった、江戸時代初期の書画で茶の湯に秀でた文化人であり、石清水八幡宮の社僧でもあった松花堂昭乗ゆかりの施設となっている。

 

日本の侘び寂びの世界が広がる約2万㎡ある庭園は、本格的な3つのお茶室がある“外園“と、国の史跡名称に指定されている草庵「松花堂」、泉坊書院のある“内園”で構成されており、40種類以上の竹や300本を超える椿、さらに梅や桜、紫陽花、紅葉などがあり、四季折々の景色を楽しむことができる。

*2023年9月より草庵「松花堂」が期間限定で公開予定であり、2023年9月~2024年3月には、庭園内茶室にて日曜茶席開催日に公開調整中。詳細は決定次第、松花堂ホームページにて告知されるのでご確認を。

 

 

 

 

 






美術館の展示スペース。 美術館の展示スペース。

美術館の展示スペース。
Photo by ©️松花堂庭園・美術館






京都吉兆松花堂店から庭を見る。 京都吉兆松花堂店から庭を見る。

京都吉兆松花堂店から庭を見る。






庭園横には美術館がある。美術館の主な所蔵品は、草庵「松花堂」や泉坊書院に付属する内装品、松花堂昭乗およびその門人に関連するもの、そして八幡市にゆかりのある美術品や資料などとなっている。展覧会は春と秋に企画展・特別展を開催するほか、年3回ほど館蔵品を中心とした展示が行われている。
美術館には、松花堂弁当を考案した京都吉兆松花堂店が併設されており、店内からは四季の移ろいを感じる庭園を眺めることができる。

 

八幡市立松花堂庭園・美術館

京都府八幡市八幡女郎花43-1
075-981-0010
営業時間:9時〜17時(入園・入館は16時30分まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)および12月27日〜1月4日)

 

 

京都の絶景に囲まれて、 日本画を愛でる
福田美術館(京都市右京区)

 






福田美術館 福田美術館

Photo by ©️福田美術館






嵯峨・嵐山に2019年に誕生した福田美術館は、京都生まれの実業家、福田吉孝のコレクションを中心としている。美術館のコンセプトは、「たとえ美術に詳しくない方が見ても、感動を覚えるような」という言葉通り、江戸時代から近代にかけての日本画を中心に約1800点が所蔵されている。中でも、琳派、円山四条派から京都画壇への流れを押さえたラインアップは充実しており、円山応挙、与謝蕪村、伊藤若冲ら江戸時代の絵師たちの作品をはじめ、横山大観、上村松園、竹内栖鳳などの近代の名画、さらに国内有数の竹久夢二コレクションがある。





エントランスから展示室へ続く廊下は、まるで日本家屋の縁側のよう。 エントランスから展示室へ続く廊下は、まるで日本家屋の縁側のよう。

エントランスから展示室へ続く廊下は、まるで日本家屋の縁側のよう。
Photo by ©️福田美術館





ドリンクやスイーツ、軽食が楽しめるカフェ。 ドリンクやスイーツ、軽食が楽しめるカフェ。

ドリンクやスイーツ、軽食が楽しめるカフェ。
Photo by ©️福田美術館





美術館は、京町家をイメージとした建築物になっており、和モダンな外観はひと際目を引いている。展示室は「蔵」、廊下はまるで「縁側」をイメージさせており、庭には大きな水盤があり、そこには四季によって色が移ろう木々を映し出している。また前には大堰川・桂川、嵐山が広がっており、その心地よい風景は自然が作り出したアートである。

館内には表参道のベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと」の姉妹店となるカフェ「パンとエスプレッソと福田美術館」がある。ここは来館者のみが利用できるカフェであるが、ここからの渡月橋も絶景である。

 

福田美術館
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
075-863-0606
開館時間:10時〜17時(最終入館時間16時30分)
定休日:展示替え期間、年末年始

 

 

 

 


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