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2023.11.15

京都でお茶尽くし旅 茶農家民宿と茶畑カフェ4選

農家民宿「篤庵」から見る茶畑。













高級煎茶の産地として知られている宇治茶の郷、京都府南部に位置する和束町(わづかちょう)。美しい茶畑の風景が広がるこの町に滞在し、茶畑の中をハイキングしたり、サイクリングをしたり、また茶畑を眺めながらカフェでのんびり過ごしたり……、この地のお茶文化や歴史を感じながら、暫し日常を忘れる体験をしてはいかが。おすすめのスポットや宿、また絶景のカフェを紹介する。

 

180度見渡す限りの茶畑
日本遺産にも登録される茶畑の風景を満喫

 

和束町は75%が山林という緑豊かな町。この土地は昼夜の寒暖差が大きく、周囲の山々から和束川へ流れる川と豊かな森林が生み出す霧や木々の遮光が茶の栽培に適し、茶葉の旨味を引き出していく。この環境は美味しいお茶作りに適した土地であることから、現在でも宇治茶の約4割がこの和束町で生産されている。
至る所に茶畑が広がる和束町の景観は、京都府景観資産の登録第1号に指定されており、「日本で最も美しい村連合」にも加盟している。さらに2015年には「日本茶800年の歴史散歩」として日本遺産にも登録された。この風景は人生で一度は見てみたい絶景である。

中でも最も有名な茶畑が「石寺の茶畑」である。ここは、京都府の景観資産第1号に指定され、さまざまなお茶のPRにも使われている風景である。春には桜並木と融合した見事な景色を見るために、多くの人が訪れている。また、和束町のメインロードからも臨めるのが「釜塚の茶畑」。山頂まで続く急傾斜に広がる茶畑はかつて手鍬で作られたと聞く。他にも町内にはいくつもの茶畑があり、季節によって変化していく茶畑の風景はいつ訪れても趣がある。








石寺の茶畑 石寺の茶畑

「石寺の茶畑」。石寺地区では茶畑の合間に古民家が点在し、当時の暮らしぶりが垣間見られる。







和束町の中心部から眺めることができる「釜塚の茶畑」。 和束町の中心部から眺めることができる「釜塚の茶畑」。

和束町の中心部から眺めることができる「釜塚の茶畑」。急傾斜の山頂まで続く茶畑には、先人たちの仕事ぶりが伺える。





和束町内には「たいこ山」「たいこ山古墳」と呼ばれている、山頂に木々が生い茂る山があるが、これは「安積親王墓(あさかしんのうぼ)」である。安積親王とは聖武天皇の第五皇子でわずか17歳で命を落としている。安積親王が平城京・恭仁京と紫香楽宮とを結ぶ街道を愛していたことから、この地を陵墓として葬られたと伝わっている。陵墓は茶畑の山頂にあることから、遠くからもこの景観が望め、陵墓まで登れば和束町を見渡すことができる。

 







陵墓の頂上部は一周できるようになっている。 陵墓の頂上部は一周できるようになっている。

陵墓の頂上部は一周できるようになっている。





京都市内から少し足を伸ばして和束町を訪れるなら、ここに滞在し、ゆっくりと時間を過ごして欲しい。季節の移ろいを感じる茶畑が目前に広がるカフェでゆっくりしたり、農家民宿に滞在して美味しいお茶を使った料理を堪能したり、茶摘み体験(季節限定)をしたり、お茶の淹れ方を学んだり、改めて日本の文化を知る好機となるはずだ。

 

茶畑ビューのおすすめカフェ

 

目の前に広がる石寺の茶畑を眺めて、五感を満たす
「dan dan cafë」




 

 




和束町で最も有名な「石寺の茶畑」の景色を独り占めできるのが、行列覚悟の「dan dan cafë」である。この名前の由来は、茶畑の「段々」と、出雲の方の方言の「だんだん(ありがとう)」、そして、今後「だんだん(ちょっとずつゆっくり)」といいお店にしていきたいという想いが込められていると言う。ここを訪れた人々はその美しい風景を見ながらいただくランチやスイーツに、また訪れたいと感嘆の声。
ランチはdan danごはんやドライカレー、オムライスなどがあるが、これらは数に限りがあるので早めに出かけておきたい。他にも、期間限定の茶畑パフェ(4月〜10月)、茶畑プレート(11月〜3月)や和束のお茶、奈良の植村牧場のミルク、季節の果物を使ったジェラート(テイクアウト可)などもおすすめである。

ランチ dan dan ごはん 1,570円 ランチ dan dan ごはん 1,570円

ランチ dan dan ごはん 1,570円

抹茶2倍のジェラート(濃い抹茶)590円。 抹茶2倍のジェラート(濃い抹茶)590円。

抹茶2倍のジェラート(濃い抹茶)590円。

 




dan dan cafë

京都府相楽郡和束町石寺東谷 1-1
営業時間:10時〜17時(11月〜3月は〜16時)
定休日:火曜・水曜日

約200種の和束茶を販売し、観光情報も入手できるカフェ
和束茶カフェ

和束茶カフェ 和束茶カフェ

 

 





和束町に来たら、まず立ち寄りたいのが「和束茶カフェ」。ここには茶農家こだわりの約200種類の和束茶などを販売しているショップがある他、奥には小さなカフェスペース「和束町カフェ」がある。またここはレンタサイクルの受付や天空カフェの予約や利用受付もここで対応してくれる。カフェでは和束茶を使ったドリンクやケーキがいただきながら、観光スケジュールを練るのもいいだろう。


和束茶販売 和束茶販売

和束茶が数多く並ぶ。

茶の産地でいただく、抹茶そば。 茶の産地でいただく、抹茶そば。

茶の産地でいただく、抹茶そば。




和束茶カフェ

京都府相楽郡和束町白栖大狭間 35
営業時間:10時〜17時
定休日:無休(年末年始を除く)

 

最高の景観を独り占めできる、完全予約制の空間
天空カフェ

 

 





天空カフェ 天空カフェ



「天空カフェ」は、和束運動公園内、山のてっぺんにある貸切の個室。京都の高台寺の茶室(傘亭)をモチーフにした、京都府産のヒノキや杉を使って建てられている。天空という名前の通り、静かな時間を満喫できる贅沢な空間である。
天空カフェは、和束茶カフェで受付をして鍵をもらう必要がある。そこから天空カフェまでは歩いて行くことになるが、途中から急な階段もあるので覚悟を。







天空カフェ室内 天空カフェ室内

心地よい空間では時間を忘れてしまいそう。




天空カフェ

和束町運動公園内
利用料:60分550円/人(小学生以下は無料)先着順、予約可
3名様以上は一律1,650円
営業時間:10時〜17時
定休日:無休(年末年始を除く)

 

 

茶畑に囲まれた古民家で、時を超えた時間を味わう

 

ここではまるで暮らすように滞在ができる農家民宿がいくつかある。どの宿もオーナーのこだわりや人柄に触れながら旅ができるのが魅力である。そのうちの2軒のこだわりを紹介する。

 

代々茶農家を営むオーナーが、茶尽くしのおもてなしを
茶農家民宿 えぬとえぬ

 




茶農家民宿「えぬとえぬ」 茶農家民宿「えぬとえぬ」

「茶農家民宿 えぬとえぬ」は、「茶農家にしかできない宿」をコンセプトとした茶農家民宿である。代々茶農家を営んできた北家の紀子さんが、自宅の古民家を改装して始めた1日1組限定の民宿。チェックイン時にはその日のお客様に合ったお茶を選び丁寧にお茶を淹れてくれる。また夕食ではお茶をふんだんに使った料理、さらには茶葉を使ったお風呂など、まさにお茶尽くしの時間を過ごすことができる宿である。また、製茶体験や時期によってはお茶摘み体験、お茶料理教室など茶農家ならではの体験もできる。

 




オーナーの北紀子さんの心づくしのおもてなしが魅力。 オーナーの北紀子さんの心づくしのおもてなしが魅力。

オーナーの北紀子さんの心づくしのおもてなしが魅力。

本格的なお料理の数々に舌鼓を打つ。 本格的なお料理の数々に舌鼓を打つ。

本格的なお料理の数々に舌鼓を打つ。






茶農家民宿 えぬとえぬ

京都府相楽郡和束町中菅谷30

 

 

センス溢れる空間が魅力的な農家民宿
農家民宿「篤庵」

篤庵 篤庵





農家民宿「篤庵」は、京都市内から和束へ移住された夫婦が営む1日1組限定の宿。目の前に茶畑が広がる風景に佇む1軒の民家を改装し、その母屋やギャラリースペースともに洗練されたこだわりの空間に心惹かれる。外国人観光客からも人気が高く、わざわざ和束町へ足を伸ばす外国人も多くいると聞く。
オーナーの篤子さんは実は陶芸家という一面もあることから、篤庵では陶芸教室や陶芸体験も行っている。自身の作品であるお皿や器は、朝食や夕食にも使用されており、その料理やおもてなしにセンスを感じる。




宿泊客から人気が高いのは、太秦の専門店から取り寄せた豚を使った「幻の豚しゃぶ」の夕食。 宿泊客から人気が高いのは、太秦の専門店から取り寄せた豚を使った「幻の豚しゃぶ」の夕食。

宿泊客から人気が高いのは、太秦の専門店から取り寄せた豚を使った「幻の豚しゃぶ」の夕食。



オーナーの齋藤哲治さん・篤子さんご夫妻。 オーナーの齋藤哲治さん・篤子さんご夫妻。

オーナーの齋藤哲治さん・篤子さんご夫妻。

農家民宿 篤庵

京都府相楽郡和束町白栖中谷20番地

 

お茶の京都と呼ばれる和束町の町には、古の日本の魅力が溢れている。茶葉を揺らす心地よい風を感じて、日常をしばし忘れられる体験がここではできる。

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