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その先の京都へ

2023.10.24

京都・紅葉スポットを巡る 絶景の秋の古寺へ出かける









暑い夏がやっと終わりを告げ、秋が深まってくると、楽しみになってくるのが美しく彩る紅葉の風景。名所は全国に数々あるが、一番感動的なのは京都の古寺で見る紅葉ではないだろうか。長い歴史がある寺と豊かな自然が見事に調和した美しい景色は、私たちの心に大きな安らぎと感動を与えてくれる。
ここでご紹介するのは、今も里山が残る京都の南部・南山城エリアで美しい紅葉が見られると人気の古寺である。鮮やかな紅葉と京都の貴重な文化財に出会う旅をゆっくりと散策し、非日常の時間を楽しんではいかがだろうか。








海住山寺
急な山道を登って辿り着く紅葉の五重塔







海住山寺 海住山寺





秋を迎えた海住山寺の紅葉は、誰もが息を飲む美しさである。特に、五重塔周辺のモミジと本堂裏のイチョウの紅葉は格別。さらに、本坊から見る借景の紅葉の山々も感動を与えてくれる。京都の惣菜を指す言葉「おばんざい」を世に広めたことで知られるエッセイスト、大村しげはこの寺を愛した1人。「梅が咲く。桜が咲く。それが過ぎたら、さつきが咲いて、そのころのさわやかに青い楓は、秋には錦の幕を張ったように紅葉して、やっぱり、ここは観音浄土の地やろうか」とエッセイ集『静かな京都』に綴っている。
京都市内からは車で1時間ほど。奈良時代の都城、恭仁宮があった瓶原(みかのはら)を見下ろす三上山(海住山)の中腹に位置する。紅葉を見ながら眼下に恭仁宮、平城京を望み、古の時代に思いを馳せるのも一興だ。天平七年(735年)に聖武天皇の命を受けて良弁僧正によって建立されたと言われ、国宝の五重塔、十一面観音菩薩像、重要文化財の文殊堂は必見である。

 

海住山寺

京都府木津川市加茂町例幣海住山20
拝観時間:9時〜16時30分
拝観料:本堂内拝観(本尊重文十一面観音菩薩、他)500円(入山料を含む)

※ハイキング・写真撮影・散策等の方は入山料1名100円
※特別展期間中は別料金

 

 






浄瑠璃寺
極楽浄土をイメージした庭園で京都の秋を愛でる





浄瑠璃寺 浄瑠璃寺




紅葉シーズンの浄瑠璃寺は、思わず現実世界を忘れてしまうような貴重な体験ができる。真っ赤に色づいたモミジに囲まれた本堂と三重塔は目を見張る美しさ。風のない晴天の日には宝池の水面に紅葉が映し出され、まるで平安貴族が夢見た極楽浄土の世界のようだ。実際、宝池を中心に西に本堂(国宝)、東に三重塔(国宝)が配置された庭園は、浄土楽園をイメージして作られている。平安時代にはこのような寺が30以上も存在していたとされるが、全て失われて今に残るのは浄瑠璃寺のみ。ここは国の特別名勝に指定されている。本堂には九体阿弥陀如来坐像(国宝)が安置され、九体阿弥陀如来坐像もまた平安時代に多く作られた記述はあるものの、平安時代の作品で現存するのはこれらの像のみ。
京都の中心部や奈良の有名寺院に負けない文化財を誇るのが浄瑠璃寺なのである。1047年に建立とされ、寺名は三重塔に安置されている薬師如来の東方浄土「東方浄瑠璃世界」に由来している。

 

浄瑠璃寺
京都府木津川加茂町西小札場40
開門時間:9:00〜17:00
※本堂拝観受付は16:30まで(12月〜2月は10:00〜16:00、本堂拝観受付は15:30まで)
拝観料:400円(中学生以上)









岩船寺
神秘的な雰囲気を湛える平安の古寺をモミジが彩る





岩船寺2 岩船寺2





三方を山に囲まれ、ひっそりと佇む岩船寺は四季を通していろいろな花が咲く「花の寺」。紫陽花の名所としても有名だが、ヤマモミジやイロハモミジが分布しているので、紅葉シーズンの美しさも格別だ。特に奥まった高台に建つ高さ18メートルの三重塔(重要文化財)を紅葉樹と常緑樹が囲む景色は素晴らしく、額縁に見立てた山門から眺めると、絵画のようだと言われている。阿字池の左側に建つ花崗岩で造られた十三重石塔(重要文化財)の周辺ももう一つの紅葉スポットである。
1632年に編纂された「岩船寺縁起」によると、寺の創建は天平元年(729年)に聖武天皇が行基法師に阿弥陀堂を建立させたのが起源。藤原時代初期の制作と考えられる阿弥陀如来坐像や普賢菩薩騎象像など、貴重な重要文化財は必見だ。岩船寺から浄瑠璃寺まで当尾(とうの)の石仏を訪ねる道(徒歩2.5キロの半日コース)が設定されているので、紅葉狩りを兼ねてウォーキングを楽しむこともできる。

 

岩船寺
京都市木津川加茂町岩船上ノ門43
拝観時間:3月〜11月8:30〜17:00(受付は16:45まで)12月〜2月9:00〜16:00(受付は15:45まで)
拝観料:大人500円、中学生・高校生400円、小学生200円











酬恩庵 一休寺
深紅のモミジが迎えてくれる一休さんの寺






一休寺 一休寺




日本はもちろん、アニメを通しても世界的に知られる一休さんゆかりの寺が、酬恩庵 一休寺。京都府京田辺市に位置するこの寺も紅葉の穴場スポットである。シーズンには総門をくぐり、参道で頭上を見上げると、深紅に染まったモミジのトンネルが…。さらに、参道の突き当たりを右折しても、見事なモミジのトンネルが迎えてくれる。晩秋に見られる苔の絨毯を覆う‘散りモミジ’も風情に溢れている。





一休寺 紅葉 一休寺 紅葉

真っ赤に染まった紅葉のトンネルを抜けていく。





一休さんこと一休宗純(いっきゅうそうじゅん)がこの寺に住まうことになったのは室町時代中期の1456年(康正2年)。81才で大徳寺の住職になってからもこの寺から通い、88才で亡くなるまでの25年間を過ごしたという。住まいだった「虎丘庵」、お墓「宗純王廟」や肖像画「一休禅師画像」(重要文化財)を見ることができる。また、この寺は枯山水の美しい庭園でも有名。南庭、東庭、北庭のそれぞれで異なる紅葉の景色を方丈から眺めるひとときも心を満たしてくれる。

 

酬恩庵 一休寺
京都府京田辺市薪里ノ内102
開門時間:9:00〜17:00
※宝物殿は、9:30〜16:30
拝観料:大人500円、高校生400円、中学生300円、小学生200円、


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