いま知っておきたい日本ワイン

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いま知っておきたい日本ワイン

2019.5.22

2. ピュアな酸味と熟成に耐えうるポテンシャルを持つ「ココ・ファーム・ワイナリー プティ・マンサン2016」。新たなスターになることを夢見る1本

日本国内で栽培されたブドウを100%使用して国内で醸造された「日本ワイン」が目覚ましい進化を遂げ、世界から耳目を集めている。覚醒し始めた「日本ワイン」がパラダイムシフトを起こす中、3人のワインオーソリティーが今、経験すべき12本を厳選し、紹介する。

ココ・ファーム・ワイナリー プティ・マンサン2016 ココ・ファーム・ワイナリー プティ・マンサン2016

ワインジャーナリスト柳忠之が選んだ日本ワイン×ココ・ファーム・ワイナリー プティ・マンサン2016

 

日本固有の甲州やマスカット・ベーリーAは、現時点でのポテンシャルに限界が見える。一方、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの国際的な品種で、他の銘醸産地に太刀打ちするのは難しい。そうしたことから今、その土地のテロワール(土壌や気候条件)に最適な、新たなブドウ品種の模索が進んでいる。

 

足利のココ・ファーム・ワイナリーが今、真剣に取り組んでいる品種はプティ・マンサン。南西フランスのジュランソンで栽培される白品種である。足利の夏は夜も暑く、ブドウの酸が落ちてしまうのが悩みの種。そこで暑い環境でも酸の落ちない品種として、プティ・マンサンに白羽の矢が立った。

 

ジュランソンの植生(しょくせい)と足利のそれが似ており、湿気に強く、病気にかかりにくいのも大きな利点。甲州の根っこにプティ・マンサンの穂木を接いで栽培してみたところ、糖度も十分に上がり、高い酸が保たれたという。

 

昨年、初ヴィンテージの2011年から17年まで、垂直試飲する機会があった。どの年のワインにも集中度があり、ピュアな酸味が心地よい。何より驚かされたのが7年の熟成にも耐えるそのポテンシャル。足利が日本のジュランソンと言われる日が来るかもしれない。

 

(敬称略)

ココ・ファーム・ワイナリー プティ・マンサン2016
造り手:ココ・ファーム・ワイナリー
品種:プティ・マンサン
特徴:その土地に適した品種を栽培。醸造は自生酵母による自然発酵。ちらし寿司やカキフライ、またパイナップル入り酢豚など中華にも合うワイン。
価格:4,590円(税込/編集部調べ)
https://cocowine.com/

Text by Tadayuki Yanagi
Photography by Michinori Aoki

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