いま知っておきたい日本ワイン

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2019.6.10

10.日本ワインは世界を席巻できるのか?その問いに答える「シャトー・メルシャン 椀子シラー」。 エレガントでスパイシーなシラーで世界に挑む

日本国内で栽培されたブドウを100%使用して国内で醸造された「日本ワイン」が目覚ましい進化を遂げ、世界から耳目を集めている。覚醒し始めた「日本ワイン」がパラダイムシフトを起こす中、3人のワインオーソリティーが今、経験すべき12本を厳選し、紹介する。

シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)シラー シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)シラー

ワインエキスパート和田大が選んだ日本ワイン ×シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)シラー

 

世界に通用する日本ワイン――― 確かに海外コンクールで入賞するワインは増加したものの、世界市場に確固たる地位を築いたとは言い難い。日本ワインブームを背景とした旺盛な国内需要の中で、むしろ日本ワインはまるでガラパゴスのように、海外への道を閉ざしてしまっているかのようにさえ思える。

 

だが国内最大手メルシャンは、国内市場に甘んじることなく海外市場へと大きく舵を切ろうとしている。それはかつて「貧相な下級品」と評された日本車が世界市場に打って出たのと同じ気概を感じさせる。そして日本車がエネルギー危機や環境保護といったパラダイムシフトの中で世界のトップへと躍進していったのと同じように、ワインの世界にもパラダイムシフトが起こりつつある。

 

ワインを含めた食生活全般のライト化・ヘルシー化、そして世界的な日本食ブームは間違いなく日本ワインにとって追い風となる。とりわけファインワインにおける標準的なアルコール度数の低下は、それが十分日本ワインの射程圏内に入ったことを意味する。

 

だが甲州やマスカット・ベーリーAといった固有品種で勝負している限り、日本ワインは「スシワイン」としか認知されないのではないか?…そんな疑念を吹き飛ばしてくれるのがこの「椀子シラー」だ。シラーは言うまでもなく世界中の産地が取り組む「主要国際品種」。だがかつての濃厚でパワフルなシラーの時代は去り、世界中がエレガントでスパイシーなシラーを目指している。そしてそれはこの「椀子シラー」の中にきれいに体現されている。

 

生産本数わずかに2,000本。醸造ロットの小ささは、この大手が椀子ヴィンヤードにおいて小仕込みのドメーヌ的経営を志向していることを物語っている。それ故入手困難であるが、入手が叶ったときは刮目(かつもく)して飲んで欲しい一本だ。

シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)シラー

作り手:シャトー・メルシャン
品種:シラー
特徴:約2,000本というロット数の少なさのため入手が難しい。オンラインサイトなどをこまめにチェックしてほしい。
価格:5,400円(税込/編集部調べ)
http://www.chateaumercian.com/lineup/terroir/mariko_syrah.html

 

Text by Masaru Wada
Photography by Michinori Aoki

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