「光る君へ」言いたい放題レヴュー「光る君へ」言いたい放題レヴュー

Lounge

Premium Salon

「光る君へ」言いたい放題レヴュー

2024.2.27

「光る君へ #8 招かれざる者」金髪巫女にびっくり!不適切にもほどがある展開へ?

今後の展開に危惧。もしかすると「不適切にもほどがある」?

こんにちは、今週の担当はわたくし、編集M男です。権謀術数渦巻く平安貴族のドロドロぶりをひたすら期待しているM男ですが、今回はちょっと拍子抜け。むしろ、このままでは今後の展開に大いなる疑念を抱かざるを得ない状況となってきました。

 

 





死霊や生霊が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)の平安時代

 

 

危惧の念がムクムクと湧き上がってきました。危惧とは、今後の展開にです。せっかく、これから面白くなっていくのではと、期待を膨らませていたのに。

 

 

危惧の念はのちほどたっぷりと表明するとして、面白かったのは、なんといっても祈祷シーンです。「言いたい放題」の第5回で、N子さんがクレームを入れていたように、この時代、祈祷やお祓いはとても重要だったはず。怨霊の存在を本気で信じ恐れていた当時の人々は、とてもとても真剣に、祈祷やお祓いを行っていたに違いありません『源氏物語』でも、生霊や死霊となり、次々と光源氏と関係のある女性を呪い殺していったダークヒロイン、六条御息所はかなり大きな存在でした。





巫女の茶髪に目が点!

 

 

病床の兼家の前で大勢が必死に祈祷していた場面は、きちんと時代考証しての再現だから、おそらく現実でもあれに近い光景だったはずで、前回の祈祷シーンのように、オチャラケではなかったところが二重丸。へぇーあんなんだったんだと、なかなか面白うございました。ユースケ・サンタマリアさんも、次第にのってきた感じ。ただ、巫女(?)が、茶髪だったのには目が点になったけれど、それも時代考証のうえなのでしょうか。

 




琵琶の弦は何でできている?

 

 

もうひとつ印象に残ったのは、まひろが琵琶を弾く場面。演出的に、時間の経過を端折ったせいか、たったそれだけ? なんか語りはないの? と突っ込みたくなる物足りなさが少しありましたが、日ごろ耳にしたことのない、情念というか怨念のこもった音色は迫力満点。琵琶の弦は何でできているんだろうなぁ? 馬の尻尾かな? なんて思っていたら、本編修了後の紀行コーナーで、絹糸でできていることをきちんと教えてくれて、NHKさんナイスフォローでした。ただ、自分が8年前に殺した女性が、まひろの母だということに道兼が気づいていない、というのは少し無理があるような気がしないでもありません。




二人の間で揺れる、まひろの乙女ごころ?

 

 

「一緒に行くか?」と直秀に問われ、しばし両者沈黙。このテの場面の次のお決まり展開として、てっきり直秀の方から「冗談だよ」とのセリフがあると思いきや、「行こうかな」とまひろ。えっ、これはもしかして道長と直秀の間を揺れる動くまひろの乙女心? 道長様とはもうお目にからぬ方がよいと決めたから直秀に乗り換え? まひろは意志ある女性だから当然? でも、この展開もドラマとしては、それほど不自然ではなく、「胸キュン」ものとして見れば、ほのぼのとして悪くないと思います。よくないのは、今後2~3回の展開の予想として、ドラマの上で直秀の存在が大きすぎるのでは、ということ。




架空の人物があそこまで重要な役割を担ってよいの?

 

 

直秀を演じる毎熊克哉さんは、とっても好きな俳優です。「京都人の密かな愉しみ」で演じていた少し蔭のある役も最高でした。(「京都人の密かな愉しみ」といえば、あの中で毎熊さんと最後に一緒になったパン職人の女の子が、今をときめく趣里さんでしたね。大出世! )ただ、直秀はあくまでも架空の人物。架空の人物が、あそこまで重要なポジションを担ってよいのでしょうか? 狂言回しの域を超えているのでは。花山天皇がどれだけ破廉恥だろうと、道兼がサイコパス的であろうと、いちおうは実在した人間で、もしかしたらさもありなん、と思うことはできるものの、架空の人物があれほどまで、主人公たちに影響を与えてしまうのは、いかがなものでしょうか。



松下洸平さんが次の直秀ポジション?

 

 

打毬に道長の弟として飛び入り参加するまでは許せるとして、盗賊に押し入って面が割れたエンディングといい、次週予告での展開といい、なんだか破天荒というか荒唐無稽というか……。この調子で進むならば、今後の展開に大いに異議ありです。「不適切にもほどがある」と言いたくなります。もしかすると、そろそろ直秀はフェイドアウトして、後半は松下洸平さん演じる宋の見習い医師なる人物が同じようなポジションになるのでしょうか。そうなったら、そうなったで、これまた首をかしげざるを得ません。願わくば、あくまでも実在の人物をメインにドラマを展開していってほしいものです。(いい味を出している、乙丸こと矢部太郎さんは別として)

 

 

 

リアル道長は、自分のことを何と呼んでいた?まさかのまろ?

 

 

あと、これは例によって細かな突っ込みですが、まひろの弟が口にする「オレ」には、どうしても違和感が……。ググると「オレ」が1人称として使われ始めたのは、中世から近世以降とあります。もちろんNHKもそのあたりは百も承知で使っているはず。でも、いくら下級とはいえ、平安貴族が「オレ」はちょっと。それにしても、いったいぜんたいリアル平安貴族は自分のことを何と称していたのでしょうか。 やっぱり「まろ」?


 

 

 

 

「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……

Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!

最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。

Lounge

Premium Salon

「光る君へ」言いたい放題レヴュー

Premium Salon

ページの先頭へ

最新情報をニュースレターでお知らせするほか、エクスクルーシブなイベントのご案内や、特別なプレゼント企画も予定しています。