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「光る君へ」言いたい放題レビュー

2024.2.6

大河ドラマ「光る君へ #5 告白」道長、出世のモチベはまひろへの愛と贖罪?

そうきたか!道長が出世を目指す理由

 

 

今週の担当、編集 Nです。今週は、六条の河原院で道長とまひろさんの逢引シーンがありましたね。謎の男・直秀の手引きで河原院へ…… ってマジで?だってそこ廃墟だよ?いくら直秀だって、まひろさんをそこまでどうやって連れて行くんだろう……まひろさんワープしたのかな。

 

 

 

でも、この展開はいい! 道長がまひろさんからの告白を聞き、父・兼家と兄・道兼らの所業を知ってしまう。そして彼らへの憎しみを持つっていうのはいい設定です。道長が出世を目指す動機付けとして、素晴らしいと思いました。自らの栄達のために人を陥れることを厭わない父と兄を追い越し、まひろさんへの愛と贖罪のために出世をしていく……いいですね。流れとして納得できますし、道長の若さゆえの青い感じがキュンとさせます。でも、道長は倫子さんと結婚しちゃうんだよなあ。まひろさんはまたショック受けちゃいますね。





僧侶と巫女はコミックリリーフ?

 

 

道長の出世へのモチベが、まひろへの愛と贖罪という展開は素晴らしい!と心から思ったけれど、でもお願い。言わせて。今週第5回「告白」の冒頭から、私はびっくりしました。

 

 

まひろさんが寝込んでおりました。なぜなら先週「五節の舞姫」で、母を殺めた男・道兼を見つけてしまったから。そしてそれが恋しい男・三郎の兄だということも知ってしまい、卒倒してしまったのです。今週は、それ以来寝込んでいるまひろさんの快癒のために、僧侶と巫女?が呼ばれるシーンからはじまりました。

 

 

ええ。そりゃむっちゃ怪しい僧侶と巫女でしたよ。巫女はなにやら神がかって口走るし。その怪しさに堪忍袋の緒が切れたまひろさんはムクっと起き上がり、冷たく「もうああいうのは呼ばないで!」とぶった切ってました。





当時の仏教へのまなざしも「源氏物語」の大切なエッセンス、のはず

 

 

見るからに怪しげな僧侶と巫女が、コミックリリーフとして描かれているのはわかります。でも「源氏物語」って仏教的な要素が多く描かれているんですよ。出産前も祈祷。病気も祈祷。皇族であれ貴族であれ、大した医療が受けられるわけでなく、祈るしかなかったわけです。また、物語の根底にある仏教的な考え……前世からの因縁(宿世)が繰り返し語られる、因果応報の物語であり、当時の仏教観が物語を支える柱のひとつでもあると思うのです。

 

 

だからまひろさんが、コミックリリーフとして僧侶を笑い者にするっていうのは、「源氏」の作者としてどうなんだろうなあ……って思ってしまいしました。物語の根底にあるものを大切に扱っていないような気がしてしまったのです。紫式部さんなら、あんな風に笑い者にするかしらん?と。

 

 

編集S氏も「笑いを取ろうとせず、キマジメに描けばいいのに……」と言ってました。同意!





平安京の夜道を闊歩するまひろさん……危ないってば!

 

ドラマだからこまかいことはいいんだ、というのもよく理解しています。でもなあ、道長とまひろさんの逢引シーンとか、強引過ぎませんか?

 

 

六条の河原院とは、源融(みなもとのとおる)の屋敷です。能「融」の主人公で、光源氏のモデルのひとりと言われた人です。「源氏」では、光源氏が夕顔と訪れた際、もののけに取りつかれてしまう、というシーンの舞台です。なるほど、そうきましたか。しっかし、夜道をひとりでフラーっと歩いて帰ったのは唖然としました。いや、真っ暗だし。追いはぎに遭うこと必定です。人さらいもいたことでしょう。

 





「いいね!光源氏くん」なら割り切って面白く観れたんだけど……

 

 

私は「源氏物語」原理主義者なのでしょうか?いいえ、そんなことはありません!NHKで制作放映されたドラマ「いいね!光源氏くん」は大好きでした。光源氏が現代の独身女性宅にタイムスリップし、その差異に戸惑いながらも生活を楽しみ、恋愛に発展していくという奇想天外な物語でした。光源氏という架空の人物が現代にタイムスリップするのもオカシイし、頭中将も後追いでやってきて、ホストクラブでナンバー1になるエピソードなど、ここまで飛躍しているともはや清々しく、すんなりと世界観を受容し、満喫したのです。

 

 

まひろさんは、水戸黄門と思えばいいと私は第3回目で書きましたが、どうしても吹っ切れません。「光源氏くん」ほどの飛躍もなく、中途半端に現代的なのはどうなんでしょう? 百歩譲って、口調が現代的なのはいいけれど、平安時代の風習や時代性はある程度は踏まえて表現してほしいのです。下級貴族の娘とはいえ、街中をふらりと歩いたりはしませんし、代筆仕事をするわけもない。平安時代の貴族階級、上から下まで数えても500人ほどしかいない狭い社会で、制約も多かった中で、あの壮大な物語を書き上げた奇跡。現代と同じように言いたいことを言って、自由に活動して、小説書いてみた女性、というのではないはずです。だからこそ、時代性はきちんと表現してほしいんです(アツイ)!




久しぶりに「源氏物語」を読んでみたくなりました。やっぱり私は「源氏物語」原理主義者なのでしょうか?!

 

 





 

 

 

 

「光る君へ」言いたい放題レヴューとは……

Premium Japan編集部内に文学を愛する者が結成した「Premium Japan文学部」(大げさ)。文学好きにとっては、2024年度の大河ドラマ「光る君へ」はああだこうだ言い合う、恰好の機会となりました。今後も編集部有志が自由にレヴューいたします。編集S氏と編集Nが、史実とドラマの違い、伏線の深読みなどをレビューいたしました!

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